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蒼天航路、遂に最終回 vol.1 ★11年前を振り返る

soutenlastついに…ついに、終わっちまいました。

11年11年ですよ。11年間毎週毎週、水曜の夜中になるとコンビニに走りました。週刊モーニングに連載している、ある漫画を求めて。それが先週の木曜日、ついに最終回を迎えちまいました。

その漫画とは・・・

そう。

蒼天航路

・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァン

僕が初めて蒼天に出会ったのは11年前、たまたまコンビニで手に取ったモーニングの、迫力のあるタッチで描かれた中国風の見開きの絵が眼にとまったからでした。今考えるとそのシーンは第二巻のその十八「天の法衣」曹操が裁判官橋玄と相対していたシーンだったんですが。

一読して、その迫力にゾクゾクしました。それまでに読んできた漫画と明らかに別種のパワー。そして。あれ?「曹操」って言ってるぞ? …ってことはこれ、三国志…? しかも曹操が主人公…?

いやーもう、まさにキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!でしたよ。当時の心境は。

それ以前の僕は、歴史物好きとして一応は吉川英治三国志横山光輝三国志と読んではいたんですが、なにぶん中高生であり生意気だった時分、皇帝の血筋血筋言ってる劉備の正義にイマイチ肩入れできなくてそれほどは三国志に思い入れは無かったんですよね。また、大河もののお話としても、三国志ってどうしても竜頭蛇尾の感がありますし。中国史ならどちらかと言うと、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」の方により思い入れがありました。こちらはラストの盛り上がり(有名な「四面楚歌」です)は尋常じゃありませんから。ただし当時から、「関羽」「張飛」「諸葛孔明」「呂布」そして「曹操」と言う名前には魔力めいた磁場を感じていました。好きじゃねーよ、と斜に構えながらも、つまんないから興味なしとは言い切れない何事かの魅力を感じてはいたのです。(今の作り手の目線で平たく言うと、キャラの魅力って奴ですね(苦笑)。ただ、そう簡単に言っちゃうと微妙な機微が漏れてしまうような気もします)

そのあたりの時期、三国志に「演義」と「正史」があることを知ります。(今考えると当時三国志ファンの間で正史ブームが起こりかけてたんですね。僕が当時はまっていた銀河英雄伝説田中芳樹先生も、正史を踏まえた三国志のコラムを書かれたりしてました) 

で、僕らが普通に読んでた劉備=善玉、曹操=悪玉と言う勧善懲悪の「三国志」と言うのは、正しくは「三国志演義」と言う中国の小説であって、歴史の公式の記録たる正史「三国志」では、曹操「破格の人」と抜群の評価をされる英雄・大政治家であり、劉備もまたただの行儀のいいお坊ちゃんではなく「高祖の風あり(=劉邦に似ている)」と評されるなかなかの梟雄だと言うことも知ったのです。

…まあ今考えると、「正史」だって当時の公式記録とは言えただの記録に過ぎなく、案外民間伝承を生かした「演義」の方に信憑性がある部分もあるかもしれませんが(笑)、そして今考えると「演義」のエンターテイメントとしての偉大さもわかるのですが、少なくとも当時の僕にはこの「正史」の曹操像、劉備像の方が何倍も魅力的かつ真実味を感じ、「俺が描くならこのしたたかな劉備像で行くがなあ」と思ってたものです。(ホントだよ!!!(笑))

光栄シミュレーションゲーム「三国志」などで三国志ファン人口自体が大きくなっていたことを背景に、僕と同じことを考えてた人が当時それこそ幾人も出てきていて、水面下であるムーブメントを起こしていたのでしょう。そして演義で悪役とされたファンの、曹操ファンの「名誉回復を」との声無き声。モーニングの「蒼天航路」と言う企画は、まさにその機微を絶妙のタイミングで捉えたものでした。

「演義」ベースではない、「正史」をベースにした、曹操を主役にした物語!!!

悪党と言われた者は本当に悪党なのだろうか

善玉と言われた者は本当に善玉なのだろうか

その悪名がアジアを越えて世界にも鳴り渡ったが

どんな非難中傷にも負けなかった男

曹操孟徳

凄まじい迫力一風独特な雰囲気で描かれたこの中国が舞台の漫画(GONTA先生の才能ですね~。他の漫画家さんだったらこの力強さは出せなかったと思います)。 これがこういうハッキリした志を持って描かれた「ネオ三国志」だと知った時、当時の僕の感想は生意気にも「やられた!!!」であったと同時に、まさに「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!」でありました。

予想通り長くなりそうなので、vol.2に続く!

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コメント

トラックバック有り難うございました。恐縮です。完璧なる貴リヴューを見て、自分の書いた文が恥ずかしくなってしまいました。
連載終了後、1週間経った今はぽっかり心に空洞が空いたようで寂しいです。

投稿: ブ王 | 2005年11月17日 (木) 00時02分

いえいえそんな。
今までネット上の蒼天ファンの皆さんの記事読むばかりだったので、
最終回記念に気合入れて書いて見ましたー。

さっきコンビニで今週のモーニング買ってきたんですが、当然ながら蒼天載ってないです(T_T)。休載します、の告知もないです・゚・(ノД`)・゚・。
当たり前だけど、さびしーです。

投稿: TAK@森田 | 2005年11月17日 (木) 01時56分

アート系ブログに吉川英治の記事をかきまして、関連記事ということで拝見にうかがいました。歴史物を漫画化した作品をとりあげたブログ記事が少なくなくて、驚いています。激的な内容の歴史物が、マンガ(劇画?)の表現手法にあうんでしょうか。機会があったら読んでみようと思います。それにしても11年間の連載とは絶句してしまいそうです。

投稿: Dr.アート | 2005年12月20日 (火) 06時53分

どうも初めまして! 書き込みありがとうございます。
ちょっと予想もつかないジャンルからの方で驚いております(笑)。

>激的な内容の歴史物が、マンガ(劇画?)の表現手法にあうんでしょうか。

合うか合わないか、で言うと難しいところです。
やはり漫画文化の中心たる「少年誌」では、主要な読者たる少年たちには歴史が舞台と言うだけで「お勉強させられてる」と敬遠されがちですし、また歴史ものは群像ドラマでもあるゆえ、長丁場で描かないとその本当の魅力は出てこない。毎週毎週の読者からの反響では他の漫画に比べて「難しい」と言われて苦戦しがちで、そこそこの出来の良い作品でも草々に連載打ち切りが決まってしまう事が多々あるんです。(本宮ひろし先生が項羽と劉邦を描いた「赤龍王」と言う作品も、僕などは傑作と思うのですが、当時の少年ジャンプ本誌連載は人気がなくて打ち切りでした。最近でも3つほど続けて始まった三国志漫画の、そのうち2つはあっという間に打ち切りになった事は記憶に新しいです。)
僕も歴史漫画の連載企画を編集さんに何度となく持ちかけてみたのですが、やはり「それは難しい。それよりスポーツ漫画描かない?」との事。何度言われた事か。

歴史漫画を扱ったブログが少なくない、とのことですが、それは、

1、歴史漫画「すら」それほどあるくらい、現在の漫画文化が巨大

2、漫画で育った少年が大人になって、「大人の読者」が劇的に増えた。(少子高齢化で、全体的に大人も含めたターゲットにシフトしてるのもあるかも)

3、歴史好きは、読み捨て読者より比較的マニアックな気質なので(笑)、「語りたがり」なところがある(僕を含めて(笑))

4、この厳しい中で残ってる歴史漫画は、ホントに語りたくなるほどの傑作ぞろい

てな所かと思います。
この「蒼天航路」と言う漫画はその中でも分けて出色の出来。掲載誌の「モーニング」が比較的ハイソな大人向けの漫画雑誌である事、そしてなによりゴンタ先生の凄まじい才能が、これだけの長期連載とフィーバーを可能にしたのだと思います。 (それでもモーニングにおいても漫画界全体においても本道とは言い難く、「マニアックな人気」と言う位置付けですよ)

僕の書いたこの蒼天航路のエントリー、掲載した次の日に一日で6000HIT以上のアクセスを記録しました。ビックリです。蒼天航路の最終回の注目度がどれだけ高かったか、歴史ファン・漫画ファンのみんなが毎週どれだけ楽しみにしてたかわかります。

Dr.アートさんも、是非読んでみて下さいね!!

P.S.
Dr.アートさんのブログ読みました。
宮本武蔵漫画では、井上雄彦先生が描いておられる「バガボンド」がお勧めですよ!!
こちらは漫画界においてもトップクラスのメジャー的位置付けかと。
(それでも井上先生の前作「スラムダンク」に比べると全然らしいです。)

投稿: TAK@森田 | 2005年12月20日 (火) 08時15分

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