皇国の守護者 2巻読了
●皇国の守護者 2巻
あらら、こりゃ本格的に面白くなってきましたよ。やっぱ売れていると言う事はそれだけのわけがありますね。
漫画では珍しいレベルでリアリティーを持った、戦略・戦術描写が面白い。そういうのが好きな人はかなり楽しめると思う。
政略・戦略・戦術の面白さを押さえた作品は蒼天航路や銀英伝、司馬遼太郎作品などあるにはあり、僕も楽しんできた。が、それらの作品でスポットが当たる人間は将軍レベル以上であることが多い。(もしくはアムロのように末端の戦士が主人公か) これを小隊長・中隊長という中間管理職レベルでやったことが(僕の知ってる限り)珍しく、面白いと思った。
大きな国の方針、政略・大戦略レベルで状況を動かす力は主人公にはなく、圧倒的な状況の中に放り込まれる所は末端の兵士となんら変らない。上の無能や無理な命令、圧倒的状況に苦しみ、下の突き上げも食らう。また自らも下に理不尽な命令を強いらずを得ない。が、その中で主人公は小戦略・戦術レベルで才気を示し、自分の部下たちを導いていく。
戦略・戦術の面白さがただの「盤上のゲーム」になっておらず、そこに生きる兵士たちの生の感情や苦悩が吹き込まれていて、特に2巻後半あたりではもう、ちゃんと人間ドラマとして読めていけます。最初っからそれをやろうとしていたのはわかるんだけど、初期は情報量が多すぎで読みにくかった。が、このあたりまで来ると読み手であるこちらも状況をつかめてきて、純粋に展開とキャラクターの心情に没頭できるようになってきました。(そういうふうに読めるように、作者の方もどんどん上手くなってきてるんだと思います。)
特に2巻後半の展開までくると、読んでて「引き込まれる」という域まで達します。泥をかぶり、非情な、卑劣な(ここがミソ)命令を出す主人公と、その命令に反発する純粋な部下。敵帝国の侵略に蹂躙される一般村民。非情な命令や冷酷な命令を出す主人公と言うのは上記の作品でもよくありますが、卑劣な命令を出す主人公と言うのはなかなかない。(銀英伝のヴェスターラント事件くらいか?) しかも読んでるとそれが、この状況で「それしかない、たった一つの冴えたやり方」だと言う説得力がある。
読んでて「やめられない止まらない」エンジンがかかってきました。3巻4巻買ってきます。
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