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ルパンの名作「813」は翻訳独占権のせいでなかなか新訳が出なかった

「孫悟空」と言うとすっかりドラゴンボールを指すようになったと思ったら、最近香取さんの孫悟空がなまかなまかと大攻勢。え…あれ人気あるのか…(;´Д`) …それはまあいい。ドラゴンボールも好きだけど、元の西遊記の斉天大聖孫悟空も好きだから。(ドラマはやはり堺正章さんのが良かったけど。) 元祖が認識されるのはいいことです。

だったら、と言っちゃあなんだけど、そろそろ「ルパンといったらアルセーヌ・ルパン」になるような動きが盛り上がらないだろうか(笑)。ここ数年ちょっぴりそういう動きが出てきたと思ったら、まーだルパン三世やるんだなあ。ルパン三世のキャラ配置の濃さや音楽の素晴らしさは認めるしかないけど、元祖「アルセーヌ・ルパン」シリーズも忘れさられるには惜しいシリーズですよ。著者ルブランの死後50年で日本での著作権が切れたのに伴い、現在新潮、創元、ポプラ社各社の翻訳独占権も切れて、今ではどこの出版社も自由に出せるはず。なのでどこか出版社さん、新訳シリーズ出してくれませんかねー。(いち早く動き出したハヤカワの新訳は名訳なんだけど、リリース遅い!!!) あと、漫画化するなら是非お声をおかけください!(笑)

ルパンシリーズは著作権に伴う翻訳独占権の関係で後期の作品は児童版以外はほとんど世に出回ってません。ルパンシリーズ前期の名作「奇岩城」はいろんな出版社が定期的に出していてまだ読まれているのですが、奇岩城と並び称される名作「813」は上記の事情でほとんどの人が完訳を手に取れる状態にはなっていない。(「813」そのものはルパンシリーズ前期の作品なんですが、本国で後期に二分冊で出しなおされていて、当時の日本の翻訳独占権の契約では後期作品と同じ扱いになってしまっているそうです。) 読んだ事があるという方も、おそらくポプラ社の児童版「8・1・3の謎」のみ読んだという方が多いと思う。もったいない! 「813」ほど児童版だけではなく完訳版も読んで欲しい作品はないです。全然違いますよ。大人の事情で、名作が読者の眼に触れない状態になる。なんて不幸な事だ。

話は飛びますが、ITメディアニュースでこんな記事が。

いや、ルパンシリーズでやきもきしてた身にすれば、死後50年でも長いっしょと思います、諸先輩方。今生きていかなきゃならないんでさすがにWinnyでも…とまではなかなか言い切れないが、基本はうちら、あくまでたくさんの人に読んでもらいたくって頑張ってるんじゃないでしょうか。ましてや死後の利権なんて、そんな時期まで読んでもらえる幸せを考えたらどうでもいいのでは。作家なんて人格破綻者ばっかりで、筒井康隆先生がエッセイで曰く「作家が一人現れたらその周りは死屍累々」だし、そういう意味で直接迷惑かけた親兄弟妻子に利権で恩返し…と言うのはわからんでもないが、にしても死後70年ってどんだけ自立してないんだよ子孫、と思うがどうでしょう。

末永く読んでもらえ、引用してもらうほど人々の心に残るのが一番幸せだと思うんですがねえ。人の目に触れられなくなるほど枷を強くして、忘れられちゃうのが一番哀しくない?

とは言え作り手業界自体に金が入らなくなったら、余裕がなくなって鉄板の企画しか通らなくなって、新人の育つ余地がなくなってしまう。そういう意味で業界が儲かるシステムを安易に否定して欲しくはありませんが、ITの発展で著作物を取り巻く時代そのものが変わってきたんで、古い時代の固定観念にとらわれず何とか受け手にとっても作り手にとっても一番面白い形を模索していって欲しい、模索していければと思いますね。

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コメント

ルパンシリーズの話題ということで乗ってきました(笑)。

以前から存在は知っていたのですが、先日になってようやく森元さとるさんが月刊マガジンに連載している「ミステリー・クラシック」単行本1巻を買いました。古典ミステリ短編を漫画化するシリーズで、この第1巻がずばり「アルセーヌ・ルパン」特集なんでありますね。
この1冊には「赤い絹のスカーフ」「バカラの勝負」「テレーズとジェルメーヌ」が収録されてます。企画の趣旨が古典ミステリ名作の紹介というものなので、ルパンシリーズでもミステリ性の強いものが選ばれたようですね。
この第1巻は「アルセーヌ・ルパン編1」となっているので、今後もルパンもの短編のコミック版を収録したものが出るんじゃないかと思われます。

投稿: 徹夜城 | 2007年7月31日 (火) 22時19分

どもどもー。

森元さとるさんが月刊マガジンに連載している>

あ、これ以前の職場(J機関)で見ましたー。

うーんでも僕としてはあれは正直不満かなあ…。
自分がルパンものに感じたワクワク感があれ読んだ師匠には伝わらなかったし…(名短編「赤い絹のスカーフ」を読んで面白くないと言われてショックだった(笑))
漫画としては本当は筋よりももっともっとルパンのうさんくさいヒーローとしての「キャラの魅力」を演出するべきだったと思います。企画物の域を出てない印象。…与えられた条件の中で漫画家さんが精一杯やっているのも、自分が今まさに身につまされてるんでわかるんですけどね。ミステリアンソロジーと言う企画はトリック・あらすじメインがコンセプトだろうし、与えられるページも少ないだろうからな…

やっぱりできればマスターキートンやギャラリーフェイクみたいな感じで、あくまで「ルパンシリーズ」としてドーンと漫画化したいですねー。「ミステリの漫画化」と言うスタンスでやっても地味だし、そもそもミステリと言う枠はルパンにはふさわしくない、ルパンの魅力を出し切れないと思います。あれなら、昔の永井豪先生のルパンの方がキャラが濃くて好きかな? あれはあれであまりにざっくりしすぎてるけど(笑)。

今回の僕の新連載(ジオンの幻陽)って、ルパンの胡散臭いペテン師の要素がかなり入っていると思います。機会があったら読んでみて頂けると嬉しいです。

…さて、ここまで言っちゃったらダメだったらかなり恥ずかしいぞと(笑)。こういう偉そうな言葉は全部自分に帰って来ますわー(笑)。

投稿: TAK@森田 | 2007年8月 1日 (水) 09時28分

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