小説

できるよ!

アーサー・C・クラークさん。

「われはロボット」のアイザック・アシモフ、「宇宙の戦士」のロバート・A・ハインラインと並ぶSFの古典中の古典作家の方だし、ほとんどの人にとってきっとむしろ今の今まで生きていらっしゃった事がビックリ、90と言うお歳といい「大往生」と言えるのに、なんで自分がショックだったかと言うと。小説家として「もう新作が読めない」とかだけじゃないですね。だって今だって俺全部読めてるわけじゃないし。

やっぱしこの人には、現実の宇宙開発をいつまでも見ていてもらって、「できるよ!」とコメントを発し続けていてもらいたかったんだと思います。                     
                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ できるよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)

この方の作品の特徴は、豊富な科学知識や工学系の知識に基づいた圧倒的なリアリティー。誤解を恐れず言い切ってしまえば、「本当に出来る(あり得る)」ことを描いているのですよね。

その描写に基づいて話が進むので、ぶっ飛んだ出来事が起こってもある種現実に基づいたドキュメンタリーのように読めてしまう。「宇宙のランデヴー」なんてうちらの世代的に(ビジュアル的には)「ガンダムにも出てきたシリンダー型のコロニーが宇宙の深遠から地球に近づいて来る」ってだけの話(勿論ガンダムの方が後の作品ですが)なんだけど、読んでる時の現実感、その空恐ろしさ、それと同居するドキドキワクワク感ったらなかった。

立花隆さん対談集「宇宙を語るⅡ」にあるクラークさん紹介の前文から抜粋すると。

(クラークさんは) 単なる物語作家ではなく、すぐれた科学評論家、未来論者であり、特に宇宙開発については、その最大の預言者と言われている。1945年に衛星通信システムの原理を考え出して以来、クラークさんは多くの作品の中でさまざまな宇宙開発のアイディアを提供し続け、その相当部分が現実の宇宙開発の中で実現されてきた。そのため「現実の宇宙開発は、アーサー・C・クラークの小説を模倣する」とまで言われているほどである。

と書かれています。

静止衛星軌道をちゃんと計算して、先には論文にして、後には小説にして、ちゃんと実現可能な方法で世に出した最初の方のようで。この静止軌道のことを別名「クラーク軌道」と言うそうです。この軌道を回る静止衛星を通信衛星として利用する事を最初に提言したのもこのクラークさんの論文だそうで。「世界中が電波で一つにつながる」と言うのは素晴らしいアイディアであり、また当時(1945年)としてはそれこそ絵空事と受け取られたようですが、現実の技術発展はこの論文・小説から影響を受ける形で進み、実現化し、今ではうちらの生活の中でその利用は当たり前になっています。

(余談ですが、こういう例を見ると、フィクション・イマジネーションの現実に及ぼす力の凄さと言う物に、自分の事でないながら誇らしくなる。エヴァの映画のときに宮崎監督が「そこには何もないことを証明してしまった」とか言っていたが、あの辺の人たちの考える事ってどんだけネガティブなんだろう?)

クラークさんの提言した技術で言うともうひとつ、忘れちゃいけないのが楽園の泉で描かれた「軌道エレベータ(宇宙エレベータ)」

エレベータと言っても塔のように地面から立てると言うイメージではなく、36000㎞上空の静止衛星から蜘蛛の糸のようにラインを垂らして来て地上までつなげる、と言うイメージ。例によってクラークさんは「できるよ!」と言ってくれていて、実際、1992年のスペースシャトルのミッション中に、その第一歩となる実験(テザーを数十メートルにわたって垂らす)が行われたそうです。クルーの手にはクラークさんの「楽園の泉」がしっかりあったとか。

個人的にはこれかなり期待していて、素人考えだと「できるんじゃねーの?」と思ってしまってます。なによりスペースシャトルも撤退間近となり、また噴射ロケットの非効率さっぷり(ほんの数グラムの質量を衛星軌道上に持ち上げるのにどれだけの図体のロケット・燃料が必要か)を考えると、恒常的な宇宙との往還方法の確立なくして飛躍的な宇宙開発はないのじゃないか、と思ってしまうので…。

が、やはりいろいろ問題があるようで。

軌道エレベータの現在における一番の技術的な問題点は、それに耐えうる材料がない、と言うことらしいですが、数年前「カーボンナノチューブ」が発見された時に、「これで出来るらしい!」と大喜びしてしまいました(笑)。こんな記事も出たりして、俺結構本気にしちゃったんで(笑)。

が、どうも今回いろいろ調べてみると、カーボンナノチューブでも強度的問題が解決されるわけではなく、まだまだぜんぜん未来技術の域を出ないようで。うーん、後は大きな問題は経済的な話とか政治的な話だけだと思ってたんだけどなあ(笑)。しまったなあ、正月に実家に帰った時に親父と「そんなん出来るか!」「金かけりゃ、もう出来るんだよ!」と喧嘩しちゃったよ(笑)。(でも1945年時点の人工衛星や月旅行よりはよっぽど絵空事ではないと思うけどね)

軌道エレベータは「トップをねらえ!」の軌道ロープウェーとか、「∀ガンダム」のザック・トレーガー(あれはスカイフックですね)の根元にあった遺跡とか、「エウレカセブン」とか、最近ではまさに「ガンダム00」とか、アニメではいっぱい眼にすることができると思います。漫画だと「銃夢」とか。うーん、日本はなんやかんや言ってSF大国だなあ。「銀英伝」でもフェザーンにあったっけな。基本的に宇宙戦艦のようなでかい図体を惑星の重力圏から離脱させるのってとんでもない力必要だと思うので、後年の作品になるにつれ戦艦自体は大気圏外で建造され、行き来には小型シャトルなり軌道エレベータなり工夫を凝らしてくる。ヤマトとかホワイトベース凄すぎ!!(笑) 波動エンジンとミノフスキークラフト万歳。でもアーガマは一度降りたらもう宇宙に上がれなかったな…

さて。

クラークさんと言えば一般的にはやはり「2001年宇宙の旅」ですが。

それに関してよく聞こえてくるのは、「もう2008年なのに科学技術全然追いついてないじゃん!」(=だから結局SFは絵空事だよ!)と言う論調です。

だがちょっと待って欲しい!!!

あの映画(小説でもいいですが)に出てきた、HALと言うコンピューター。 あれ、覚えていますか? ボーマン船長がHALの中枢いじった時、確か物凄いでっかい真空管をいじってとっかえて…とやっていましたよね?

あの時のコンピューターに比べて、今自分たちの目の前にあるパソコン、どんだけ凄いんでしょう。(勿論人工知能までは行ってないですが、そういう意味ではなく)

前述の通信衛星のアイディアにしても、クラークさんは、「当時(1945年あたり)、空軍でレーダーを扱う仕事をしていた自分は、レーダーに使われていた真空管は何千本もあって毎日2、3本は焼き切れていたので、修理スタッフの要らない高度な機械など想像出来なかった。だから人工衛星と言っても、もっと巨大な有人宇宙ステーションのようなものを想像していた。ところがその後、トランジスタが発明されて状況が一変した。現在、車より小さいくらいの人工衛星が様々な機能を果たしている」と言っています。

ある点では確かにあの頃の予想に追いついていないかもしれない。でもある点では、あの時は絵空事だったくらいのビックリ未来社会に、今自分たちは生きています。(パソコンとか携帯電話とかネットとかGPSとか、3DCGとか、Suicaとか、主に電子通信情報映像関連凄いと思いません? 少しづつ順を追って体感してるんで、実感がないだけかと。)

だからですね、少々順番が変わってるだけで、社会が前向きに進んでいれば、できない事はないと思うんですよ。まさに

高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。

の法則。

宇宙開発が進んでいないのは、どちらかと言うと技術的な問題と言うより、経済的な問題だったり、あとでかいのは精神の停滞だったりすると思いますね。とにかく19世紀~20世紀初頭に比べて今は、暗い! 後ろ向き! 小市民的! そりゃいろいろあったし、反省も必要かもしれないけどさあ! 

★★★

とにかく今回のクラークさんの訃報を聞いてまず思ったのは、ここまで生きていてくれたのだから、「人類が再度月に達するところを見て欲しかった」「月面基地建設を見て欲しかった」「有人火星探査を見て欲しかった」「そしてそれぞれにコメントと、できるよ!と言う応援の言葉を発し続けて欲しかった」です。

もう完全に「古典」の方、歴史上の人物だし、90歳だったし、むしろ今まで良く生きていてくださったと言うべきなのでしょうが、なんかむしろそれだけに油断してた、と言うか、いつまでも生きつづけられる様な錯覚があったんですな。マイミクの先輩方も言っておられたのですが、なんかずっと生き続けるSF仙人みたいなイメージがありまして…。

うーん、ただでさえ弾け切れない宇宙開発にさらにダメージを負ったような、そんな気分。本当はねえ、跡を受け継ぐうちら次世代のエンターテイナーたちがフィクションの面からも宇宙開発を盛り上げていかなきゃならないんだけど。うーん、その入り口にも立ってない自分が不甲斐ないな。頑張んなきゃなあ。

最後にまた、立花隆さんとの対談でのクラークさんのお言葉抜粋

有名な探険家のナンセンは、「探検をしなくなった人間は、もはや人間ではない」と言いました。われわれ人間は好奇心の生き物なのです。太古の昔、人類の祖先は目先の安全を考えるなら、アフリカにとどまっていてもよかった。ジャングルは人間の生存条件としてはもっとも恵まれた環境を与えてくれていましたからね。しかしわれわれの祖先は不毛なサバンナへ進出し、地球上にあまねく広がっていった。もしジャングルにとどまっていたら、気候の変動で絶滅していたでしょう。さまざまな環境に散らばっていったからこそ、生き残る事ができたのです。

私は多くの人が有人宇宙探査をすべきだと思っていると確信しています。新たなるフロンティア、そして冒険がなければ、われわれの文明は停滞し、その結果大いなる退廃に陥ってしまうでしょう。

中略

宇宙開発の未来は、われわれがいかに安全で効率のよい宇宙への輸送手段を獲得するかにかかっています。しかしそれは必ず実現し、人類は新たなる進化を続けていくでしょう。

                 ハ_ハ  
               ('(゚∀゚∩ できるよ!
                ヽ  〈 
                 ヽヽ_)

★★★

追記:

>クラークさんは昨年12月、90歳の誕生日に友人向けの別れのメッセージを録音。その中で、生きているうちに地球外生命体が存在する証拠を見たかったと述べていた。

太陽系外惑星で有機物を初確認=生命の存在可能性高まる-米英チーム

もう一歩! もう一歩なんだけどなあ!!!

太陽系外とまで行かなくても、エウロパあたりには普通に何かしらいると思うんだけど!

| | コメント (5) | トラックバック (0)

【訃報】 アーサー・C・クラークさん 90歳で

ああああああ

「2001年宇宙の旅」作者、スリランカで死去

自分にとってはなにより「幼年期の終わり」そして「宇宙のランデブー」でした。

SFの魅力とは自分にとってはメカなどのギミックだけではなく、なにより哲学でした。 「我々はどこから来てどこへ行くのか?」を感じさせてくれたもの。夜空を見上げて「宇宙には果てがあるのか? 果てがあるとしたら、その果ての先は?」とかそんな答えの出ない事をいつまでも考えちゃう子供だった僕にとっては、長じて手を出したクラークさんの作品は、その原初の欲求に答えてくれる…と言うか、一緒に考えてくれる、他とは別種の、貴重な作品でした。キャラもの、ストーリーものとしては決して濃いわけじゃないんで、ガンダムのモデルの一つになったハインラインあたりに比べると、一般の人が読みやすくはないかもしれないけれども…。

「幼年期の終わり」は怖かったな。エヴァンゲリオンの映画(THE END OF EVANGELION)の人類補完計画を見たとき一番最初に連想したのがこの「幼年期の終わり」のラストシーン。

「宇宙のランデブー」『ラーマ』が迫ってきた時のドキドキ感は忘れられん。人類の歴史が根底から揺らぐような事件を体験している気分。小説なのに。

>クラークさんは昨年12月、90歳の誕生日に友人向けの別れのメッセージを録音。その中で、生きているうちに地球外生命体が存在する証拠を見たかったと述べていた。

(T_T) 

クラークさんの作品から感じるもう一つの大きな精神、それはフロンティア・スピリット。未知のものの空恐ろしさをこれ以上ない筆致で描きつつ、それを決して忌避せず、大いなる覚悟で受け止める前向きさが根底にはある、と感じます。(自分たちが人類と言う形態でなくなったとしても!)

自分が一生描いて行きたいテーマを一つ上げるとしたら「フロンティア・スピリット」なので、その点でも好きな作家さまでした。

クラークの三法則、と言うのがあります。とりあえずウィキペディアから抜粋。

  1. 高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。
  2. 可能性の限界を測る唯一の方法は、不可能であるとされることまでやってみることである。
  3. 充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

この三法則、自分は大好き(笑)。特に3なんて、今パソコンやネットでできる事を小学生時代の自分に見せたら…と思うと、「現在の技術的常識」なんて何の意味もないんじゃないか、と思ってしまいます。そこから1を考えると。ね。

この三法則見ただけでも、クラークさんの前向きっぷり、フロンティア・スピリットがあらわされていると思います。そう言えば最近買った、立花隆さんの宇宙についての対談集「宇宙を語るⅡ」での、クラークさんとの対話も気持ちよかったなあ。(もう15年も前の対談だけど。)

偉そうな事言ってますが、自分、クラークさんの作品を全部読んだわけじゃありません。有名作を結構前に読みかじりしている程度。「宇宙のランデブー」の最終作も「3001年終局の旅」も読んでないんだよなあ。うん、読もう…。

以下は、「2001年」以外のアーサー・C・クラークの代表作2作と、立花隆さんの宇宙についての対談集「宇宙を語る」の2巻。立花隆氏とアーサー・C・クラーク氏との対談が載ってます。クラーク氏の他に、「宇宙誌」などの著書で有名な東大理学部教授松井孝典氏、京都大学名誉教授・臨床心理学の河合隼雄氏、そして言わずと知れた歴史小説家司馬遼太郎氏との宇宙についての対談が収められていて、楽しく、読み応えあります。初出はちょっと古いのだけど、最近文庫になったので手に入りやすいはず。気楽に読めて、しかも前向きでオススメ。(ちなみに1巻は毛利さん、向井さんなど日本人宇宙飛行士との対談。)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

歴史漫画・歴史小説 (日本編) ver.1.0

自分が読んで印象に残った歴史漫画・歴史小説を年代順に並べてみる。コメントは主に歴史ものとしての観点から。今回は日本編。新しいものを読んだり、書きたい事が増えたりしたらバージョンアップしていくかも。本文が抜けてるところはきっちり埋めて完成させたいなあ。

★縄文時代 1万年前頃~

●ドラえもん のび太の日本誕生(藤子F不二雄)
のび太の日本誕生

★弥生時代 前5世紀頃~

●三界のスサ(王欣太)
天界の快男児スサノオが地獄見物に出かけ大暴れ。その彼が閻魔大王の誕生に立会い、恐れを知り、地上界に落とされると言う19ページのショートストーリー。欣太先生の圧倒的イメージ力と思考の虚を衝かれるような閻魔大王・アマテラスのキャラデザが魅力的。
MANDALA Vol.1 (2007) (1)

●火の鳥 黎明編(手塚治虫)
邪馬台国女王・卑弥呼の熊襲侵略と、イザナギの尊を思わせる主人公ナギ、猿田日子伝説、ニニギの尊の天孫降臨伝説などを効果的に絡めてある名作。特に「日食=天の岩戸隠れ」で暗示した「卑弥呼=天照大神」はいい。(実際卑弥呼の没年あたりに皆既日食が起きているらしい。)卑弥呼の下で政治を司っていたという弟も、スサノオに重ねられている。
火の鳥 (1)

★古墳時代 3世紀末~

●ナムジ(安彦良和)

●神武(安彦良和)

●火の鳥 ヤマト編(手塚治虫)
日本武尊の熊襲平定に絡めた作品。主人公オグナは作中でヤマトタケルとなる。古墳や埴輪、それに石舞台式古墳も絡めてある。
火の鳥 (3)

★飛鳥時代 6世紀末~

●火の鳥 太陽編(手塚治虫)
太陽編は過去と未来が交錯する異色作だが、そのうちの過去編が大化の改新後、壬申の乱が舞台。天智天皇、藤原鎌足、大海人皇子、大友皇子等が登場する。また、火の鳥を通して好意的に描かれてきた仏教が、大陸からの「侵略宗教」として否定的に描かれているのがめずらしい。大海人皇子(天武天皇)が日本史離れした異形な英雄の印象を残すのも、歴史ファン的にはニヤリとする所。
火の鳥 (10)

★奈良時代 710~

●火の鳥 鳳凰編(手塚治虫)
火の鳥の中でも一、二を争う名作だと思う。歴史的には、大仏建立に大きく絡む。橘諸兄や吉備真備が重要人物として登場。御簾の中の帝は恐らく聖武天皇。盧舎那仏建立に尽力した良弁僧正(東大寺初代別当)が、主人公我王の師匠に。また、もう一人の主人公・茜丸は、遣唐使になって唐に渡る事を願う。
火の鳥 (4)

★平安時代 794~

●新平家物語(吉川英治)

●義経(司馬遼太郎)
義経の軍事的天才っぷりと、政治的或いは社会人的痴呆っぷりに焦点をあてた作品。天才とは一方において欠けたる者だという、ひとつの典型的な例。この義経、映画「アマデウス」におけるモーツァルトと印象が近い。日本人のいわゆる「判官贔屓」に冷水を浴びせるような作品で当時非難轟々だったらしいが、このダメッぷりを含めて天才の魅力だと思う。ただテーマを描ききったとは言え、勧進帳や平泉での最期まで書いて欲しかった。ちょっとラストが欲求不満。
義経〈上〉

●ますらお~秘本義経記~(北崎拓)
これも義経主人公。少年サンデー連載。司馬義経を踏まえてか、ヒーロー牛若丸ではなく、捨てられた怨念にどろどろ歪んだ「遮那王」としてスタートした。(ちなみに自分は遮那王という名前はこれで知った。)いつもの北崎絵じゃなく、歴史ものを意識したなかなか重厚な絵・描写で最初は良かったのだが、やはり人気が取れなかったのか、路線変更→打ち切りのコンボに。伊勢三郎や平維盛の描写、「クソガキ牛若vsいい人弁慶」の五条の橋対決など、結構好きだったのだが…。展開がどんどん駆け足になる上平家滅亡まで行かなかった。人事ながら、やはり少年誌で自分の好む歴史物は無理かと、ちょっとしたトラウマに。
秘本義経記―ますらお (1)

●火の鳥 乱世編(手塚治虫)
これも義経はクソガキ。…を通り越して悪役。が、上作品からのイメージにも合致。ちなみに弁慶ならぬ弁太が主人公。さらわれた恋人・おぶうを求めて旅立つ。平清盛が裏主人公と言うべき位置で、孤独な権力者の老人を演じている。清盛とおぶうの交情が味わい深いが、彼女を取られた弁太の気持ちで読むと切ない。ちなみに義経を育てた鞍馬天狗は、火の鳥鳳凰編の主人公・我王。長生きしすぎ!(笑)
火の鳥 (7)

★鎌倉時代 1192頃~

●源平討魔伝(ナムコ)
高校時代はまった。曲がったままの勾玉。諸行無常よのう!これもアマデウス義経が基地外で素敵。「ヒョッヒョッヒョッヒョッ。」ほとんどの登場人物が怨霊。時代的には恐らく幕府成立以降なんでここに置いた。主人公は「ぷれいや」という異次元の者のお布施で蘇った、平景清の怨霊。歌舞伎や浄瑠璃の演目「出世景清」からの出展らしい。ラスボスは源頼朝。
ナムコミュージアム Vol.4 PlayStation the Best

★南北朝時代 1331頃~

●私本太平記(吉川英治)
足利尊氏、悪人には描かれてないのだが、英雄としてはなんとも歯切れが悪い。むしろ、いい人、凡人過ぎてビジョンがないというか、流されっぱなしと言うか。この時代は楠正成に感動して見るべきなのだろうが、滅びの美学と言うのはどうも…。司馬遼太郎はエッセイで、「この時代は皇国史観のロマンを廃して見るとただの土地問題でしかなく、実態は面白味のない時代」と評していた。自分としては後醍醐天皇など描き方によってはなかなか面白い基地外キャラ(誉め言葉)になりそうだと思うのだが…確かに惚れられる英雄はいないかも。
私本太平記〈1〉

★室町時代 1338頃~

●一休さん(東映動画)
初期は意外にシリアスで、ちゃんと歴史物してて侮れない。南北朝の動乱の残照。後小松天皇の庶子である、一休。南朝再興を狙い、一休を錦の御旗にしようとする、新田家ゆかりの武士の子、哲斉。将軍足利義満の命で一休を監視する寺社奉行蜷川新右衛門。新右衛門さん最初は怖い。ただし、風俗描写の考証は甘いらしい。でも金閣寺はこれで知った。これだけ見てると義満はダメ将軍みたいだが、実際は南北朝を統一し天皇の座すら狙った、日本史上の怪物。ちなみに金閣寺に住んでた時点では義満は出家して僧形なので、アニメのように髷を結った義満が金閣寺に住んでいたと言うことはないと考えられる。
一休さん~母上さまシリーズ~第1巻

★戦国時代 1493頃~

●火の鳥 異形編(手塚治虫)
不老不死の八百比丘尼伝説に絡めた小編。無間地獄のおっそろしい話だった。鳥獣戯画のルーツにも繋げている。(ただし鳥獣戯画は平安末期~鎌倉初期の作と見られているので、時代は少々合わない。)ちなみに話は「太陽編」とリンク。
火の鳥 (3)

●剣の舞(岩明均)
新陰流開祖・上泉伊勢守信綱の弟子、疋田文五郎を主人公にした中篇。「バガボンド」で若き日の柳生宗厳が負けた相手はこの信綱と文五郎であり、同じ場面がこの作品でも語られている。信綱の竹刀開発にも触れられていて嬉しい。
雪の峠・剣の舞

●国盗り物語(司馬遼太郎)
斉藤道三カッコイイ。神出鬼没、一人二役、お前はアルセーヌ・ルパンか! 素寒貧の破戒僧から油売りの大商人、一国の家老、そして大名へ。これぞ下克上。しかしさすがの道三も徒手空拳からではここまでが精一杯だった。道三は天下統一の覇業を信長に託す。後半は織田信長と明智光秀が主人公。最近では道三の事跡は親子二代だとする説もあるらしいが、だとすると少し寂しい。
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉

●猛き黄金の国(本宮ひろ志)
これも斉藤道三主人公。ほぼ「国盗り物語」をベースに作ってあるようだ。
猛き黄金の国斎藤道三 (1)

●天と地と(角川)

●信長(池上遼一)
池上先生の信長。大河物と言うより、信長にまつわるオムニバス連作短編集という趣。個人的には、少々信長がおとなし過ぎだと思う。
信長 1 黎明の巻 (1)

●ムカデ戦旗(森秀樹)
武田の金掘り衆と、その頭目ムカデが主人公。金掘りの技を駆使して戦国を生き抜く。信玄の弟、武田信廉がムカデのよき理解者となる。信長、木下籐吉郎(秀吉)、家康なども登場する。
ムカデ戦旗 1 (1)

●戦国子守唄(森秀樹)
浅井長政の遺児を匿う羽目になった、羽柴秀吉配下の雑兵三人が主人公の小編。秀吉を、信長への忠義と人としての優しさの狭間で苦悩する男に描いている。秀吉の相方として竹中半兵衛も登場。
新・子連れ狼 1 (1)

●信長の野望(光栄)
ゲームそのものは少ししかやってないが、武将ファイルは暇つぶしによく読んだ。
信長の野望 天下創世 武将ファイル

●戦国無双(光栄)
無双は面白い。歴史に興味のない人にも入口になっているようで、いい事だ。キャラデザも、華がありながら骨太感もあって、優れていると思う。
戦国無双2(通常版)

★安土桃山時代 1573頃~

●夢幻の如く(本宮ひろ志)
本能寺で信長が死なず、世界に乗り出すIF物。むしろ世界史か。IF物は比較的興味はないのだが、これは同時代の世界史英雄オールスターと言う感じで楽しく読めた。「ヌルハチ~? 妙な名じゃのう!」
夢幻の如く 1 魔王復活編 (1)

●新史太閤記(司馬遼太郎)
一介の農民から信長の武将を経て、事実上の天下人まで上り詰めるのし上がり物。とにかく秀吉の前半生は絵に描いたような出世話なので、どうやったって面白い。司馬秀吉は明るくスカッとした好人物。だからこそ、家康との対決である小牧・長久手の戦いで終了してしまうのが残念。天下人になった後の後半生の解釈もじっくり読みたかった。
新史太閤記 (上巻)

●覇王の家(司馬遼太郎)
家康そのものを描く、と言うよりも、三河武士団と言うものを書いた作品。太閤記に比べて重い。重苦しいよ三河武士。これもなぜか、秀吉との対決である小牧・長久手の戦いまで。覇業の行く末は「関が原」そして「城塞」で、と言う事だろう。
覇王の家〈上〉

●へうげもの(山田芳弘)連載中!
これに出て来る信長が一番カッコイイ!! 死に様はビックリした。茶器・名物や物欲などを通し「文化」にスポットを当てた、一風変わった戦国物。名物を愛でるシーンは、オタク的にはなかなか共感できるものがある。「これを「渋い」と呼びましょう」には痺れた。主人公は古田左介(織部)。作中で千利休の弟子となる。
へうげもの 1 (1)

●一夢庵風流紀(隆慶一郎)
前田利家の従兄弟、「傾奇者」前田慶次郎利益が主人公。

●花の慶次(隆慶一郎 原哲夫)
一夢庵風流紀の漫画化。慶次、強!これで慶次が一躍メジャーに。秀吉がなかなか味のある怖さを出していて魅力的。朝鮮出兵が琉球出兵になっている。なんじゃそりゃ。
花の慶次 1 (1)

●功名が辻(司馬遼太郎)
大河ドラマヒットしましたね。大河で女性が大活躍するのは最近の傾向ではあるが、内助の功ネタがここまで好意的に受け入れられると言うのは、また若干時代が変わってきたんだなとも思える。幕末ファン的には、進駐軍として長宗我部氏を追い出して山内氏が高知に入った事が、幕末の土佐上士(山内侍)と土佐郷士(長宗我部侍)の確執、土佐勤王党の悲劇に繋がっていくわけで、その辺の種として面白い。

功名が辻〈1〉

●関が原(司馬遼太郎)
関が原前夜の政治的工作が面白い。勝つ者は勝つべくして勝つ。反面、西軍の石田三成や島左近の魅力も発見できる。幕末好きとしてはやはり、この時の各大名の運命が幕末の各藩の姿勢に繋がる所が興味深い。
関ヶ原〈上〉

●雪の峠(岩明均)
後の秋田市である。
雪の峠・剣の舞

●影武者徳川家康(隆慶一郎)
関が原以前と以後の家康の性格の変貌や、豊臣家に対する態度の不可解さ、秀忠との確執などにある一定の回答が与えられるのが面白い。歴史上の異説・珍説ネタは、「でも、ひょっとしたらこうだったかも…」と思わせるだけの説得力があると、抜群に面白い。
影武者徳川家康〈上〉

●宮本武蔵(吉川英治)
言わずと知れた国民小説、宮本武蔵。でも実はまだちゃんと読んでない。バガボンドの原作。が、かなりアレンジされているはず。
宮本武蔵〈1〉

●バガボンド(井上雄彦)連載中!
やはり武蔵編は燃える。殷瞬編と吉岡道場絡みは神。井上先生は凄い。佐々木小次郎が聾者に設定されてビックリ。小次郎編にも力が入っている。実在の有名登場人物としては、柳生石舟斎、柳生兵庫助、上泉信綱、伊藤一刀斎など剣豪剣聖系目白押し。勿論沢庵和尚、本阿弥光悦も登場する。ちなみに伊藤一刀斎の起こした一刀流は、後に坂本龍馬が学んだ北辰一刀流の源。
バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (1)

●あずみ(小山ゆう)連載中!
子供のときから一緒に育った仲間同士で殺し合わされる、衝撃のオープニング。あずみたちは、家康の懐刀・南光坊天海の命を受けて小幡月斎が育てあげた、徳川の世を安定させるために反乱分子を殺してゆく「枝斬り」の戦士。浅野長政、真田昌幸、加藤清正、家康、伊達政宗…この時期に死ぬ有名な人は、みんなあずみが殺しちゃった。前半は大阪の陣など歴史的大事件とも深く絡んで文句なく面白いが、長く続きすぎて少々終わりどころが見えない。
あずみ (1)

●城塞(司馬遼太郎)
大阪冬の陣夏の陣、豊臣の滅亡を描いた名作。真田昌幸・幸村父子や塙団右衛門ら浪人たちと大野治長ら幹部との機微、人間模様が面白い。でも淀殿の下では絶対死にたくないと思った。秀頼はそれ程悪く描かれていない。
城塞 (上巻)

●時の行者(横山光輝)
タイムスリップSF。でも主人公の未来人「行者」はあくまで傍観者であって、話自体をほとんど動かさない。事実上歴史の断片を扱ったオムニバス読切だと思う。時代は籐吉郎秀吉の若い頃あたりから江戸初期あたりまで。
時の行者 (上)

★江戸時代 1603~

●新・子連れ狼(小池一夫 森秀樹)
元祖「子連れ狼」は原作の漫画も時代劇もほとんど見たことないのだが、森秀樹先生のファンなので続編から読み始めてしまった。公儀介錯人・拝一刀の遺児大五郎は、薩摩藩士東郷重位に拾われる。東郷重位は、「ちぇすとおおおお!」の掛け声で有名な示現流の開祖。
新・子連れ狼 1 (1)

●大奥(ドラマ)

●捨て童子松平忠輝(隆慶一郎 横山光輝)

●シグルイ(南條範夫 山口貴由)
むーざんむざん。
シグルイ 1 (1)

●水戸黄門(ドラマ)
幕末好き的には、水戸黄門(徳川光圀)といえば「大日本史」の編纂、そして水戸学。「水戸黄門」で触れられてるかは知らない。ワンパターンは好きではないので、実は時代劇ってあまり見たことはない。エンターテイメントの美しい黄金率なのは頭ではわかるのだが…っと、それは余談。
水戸黄門名作選 その1

●吉宗評判記 暴れん坊将軍(ドラマ)
米政策や目安箱と絡めたり、大岡越前も出てきたり、支配者の責務が語られたり、第一シリーズは案外侮れなかった。話としてもまだパターン化されていなくて面白く、最近見る目が変わった。シリーズが続くにつれてパターン化していくのは一休さんやタイムボカンと一緒か。
吉宗評判記 暴れん坊将軍 第一部 傑作選 VOL.1

★幕末 1853~

●世に棲む日日(司馬遼太郎)
前半が吉田松陰、後半が高杉晋作が主人公。長州松下村塾の系譜。革命とは、まず思想家が現れ、行動家が激発し、実務家が形にする。長州における思想家が吉田松陰、行動家が高杉晋作。(ちなみに実務家が「花神」の主人公、大村益次郎と言う事らしい。その後に処理家…として伊藤博文あたりが来るのだろうか)
世に棲む日日〈1〉

●竜馬がゆく(司馬遼太郎)
坂本龍馬を日本史上の一大ヒーローに押し上げた名作。実に、実に面白い。黒船来航から大政奉還まで時系列順に一通り押さえてあり、また、竜馬の事跡の特異性から、土佐、長州、薩摩、幕府要人に至るまで当時の各勢力のビッグネームがほとんどオールキャストで絡んでくる。
土佐…武市半平太、岡田以蔵、中岡慎太郎、後藤象二郎、乾(板垣)退助
長州…桂小五郎、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤俊輔(博文)、井上聞太(薫)
薩摩…西郷吉之助(隆盛)、大久保一蔵(利通)、小松帯刀
幕臣、大名…勝海舟、松平春嶽、山内容堂、大久保一翁、永井尚志
…と、メインだけでもキリがない。幕末の入門に最適。
竜馬がゆく〈1〉

●おーい竜馬(武田鉄也 小山ゆう)
ベースは「竜馬がゆく」だが、それに加えて竜馬と武市、以蔵の3人を幼馴染に設定した事によって非常に味わい深くなっている。(さらに言うと、容堂、乾(板垣)、後藤との因縁も効果的。)竜馬が上海行しちゃったりなど結構ハチャメチャな事もやってヒヤヒヤしたが、それも上手く時代(アジアの危機)を理解するための必要な要素として機能しており、意外なほど押さえる所押さえている。なにより誕生から竜馬暗殺まで余す所なく描ききられている。よくぞ!よくぞ描ききって下さった!小山先生、当時のヤングサンデー、ブラボー!
お~い!竜馬 (第1巻)

●せごどん(道明)連載中!
西郷隆盛が主人公。現在イブニングで連載中。ようやく島津斉彬の元で働き始めた所。このあいだジョン・万次郎が出てきた。今後を楽しみにしているのだが、今の所まだ吉之助(西郷)が典型的な少年誌主人公の域を脱していない所と、相棒の大久保一蔵(利通)が少々小人物過ぎる所が不満。だがまだなにせ二人とも少年期を脱した所。今後の成長に期待だ。竜馬とはまた違う、「西郷ならでは」の不思議な魅力を知りたい。
せごどん 1 (1)

●はっぴいマン~爆裂怒濤の桂小五郎(石渡治)
長州の桂小五郎(木戸孝允)を主人公にした漫画。桂と竜馬、新撰組の沖田総司、それに新撰組を抱えた京都守護職・松平容保公に幼馴染的な因縁を与えている。千葉道場のさな子さんが竜馬に振られたショックで人斬りさな子さんになり、体を使って長州志士を篭絡して蛤御門の変の黒幕になっていたのが印象的(笑)。
HAPPY MAN 第一幕 (1)

●陽だまりの樹(手塚治虫)
手塚治虫の曾祖父・蘭方医手塚良庵と武士伊武谷万二郎を主人公に、幕末を描く。蘭方医が主人公だけに適塾が主要舞台の一つで、先生の緒方洪庵や福沢諭吉、医学生時代の村田蔵六、種痘所の設立等、ちょっと変わった所にスポットが当たる。また、ハリスの通訳ヒュースケンの殺害事件も重要なエピソードとなっている。勝海舟、山岡鉄舟、橋本左内、西郷、竜馬なども登場。
陽だまりの樹 (1)

●燃えよ剣(司馬遼太郎)
新撰組副長土方歳三を主人公に、幕末から戊辰戦争、五稜郭までを佐幕側から描く。「竜馬がゆく」を初めとする薩長側からの作品とは表裏の関係にあたる、名作。新撰組が舞台だけに、局長近藤勇、沖田、斉藤一、芹沢鴨…など勿論登場。
燃えよ剣 (上巻)

●新撰組血風録(司馬遼太郎)
「燃えよ剣」が大河物なら、こちらは新撰組を舞台にした短編集。「燃えよ~」で痺れた歳サンが、隊士の目から見ると怖い怖い。
新選組血風録

●峠(司馬遼太郎)
峠 (上巻)

●花神(司馬遼太郎)
優れた軍事的才能で官軍を率い戊辰戦争を仕上げた「実務家」、蘭学者大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描いた作品。とにかくオタク的仕事家、学者、と言う印象で、革命家の匂いは全くしないのに革命には確かに必要、と言う役どころが面白かった。
花神〈上〉

★明治 ―維新~西南戦争期― 1868~

●翔ぶが如く(司馬遼太郎)
明治初年から征韓論、西南戦争までを舞台に「薩摩武士」と言うものを描き、それによって西郷隆盛と言う人物像を浮かび上がらせようとした作品。竜馬や土方のようなわかりやすい直接的な「西郷キャラ」描写はない。それ故、エンターテイメントとしては若干難解。革命を成し遂げたはずの武士自身が革命後の世界に馴染めずに次々反乱を起こして滅びていくのが印象的。そしてその受け皿になった西郷。西郷の死の同年、盟友であり最期の敵であった大久保利通も紀尾井坂で暗殺される。「両氏は耦死(刺しちがえる事)された」との文章に、に泣いた。
翔ぶが如く〈1〉

●るろうに剣心(和月伸宏)
体力ゲージが見えてくるような典型的なジャンプバトル漫画だが、赤報隊、廃仏毀釈や紀尾井坂に触れてきたりするあたり、歴史もの的にも侮れない。主人公の緋村剣心こと人斬り抜刀斎のモデルは、佐久間象山を斬った河上彦斎だと聞いたが本当だろうか。斉藤一や大久保、山県有朋ばかりか、日本の警察機構を作った川路利良あたりまで出て来るわけだから、ほんと侮れない。
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 (01)

●ヤングマン(六田登)
明治日本を舞台にした妖術バトル?もの。日本に現れると言う、時代を変える「魔物」の正体が、「飛行機」だと言うのが渋い。(日本人・二宮忠八が、明治24年、ライト兄弟より12年も先にプロペラ飛行機を作っていたことを指す。)わりと好きな作品だったのだが、妖術で首を繋がれ復活した西郷隆盛が、主人公の付き人のようになっているのが少々興ざめだった。そんな小さい人物じゃなかろう…
ヤングマン 1 (1)

★明治 ―日清・日露戦争期― 1878頃~

●王道の狗(安彦良和)
秩父事件、アイヌ、金玉均、足尾銅山鉱毒事件…渋いチョイスだ。王道と覇道の対比、陸奥宗光による日清戦争への路線転換を覇道と捉え「過ちのはじめ」と言う視点で描かれているが、全共闘世代は言う事が「ダメだダメだ おろかだおろかだ」ばかりで、「じゃあ歴史上どういう時代が良いのか」と言う前向きなもの、積極的なものを示す事はできないのだろうかとはちょっと思ってしまう。でも超美麗な絵で顕される当時の風俗、空気や、あまり詳しくない時代状況への興味などで楽しく読めた。ラスト、孫文などが出てきて主人公が活動家支援のハーロック的な位置付けになっているのは感涙もの。
王道の狗 (1)

●坂の上の雲(司馬遼太郎)
日清・日露戦争が舞台。ロシアコサック部隊を破った日本騎兵の父・秋山好古、日本海海戦勝利の立役者・海軍参謀秋山真之、俳人・正岡子規の三人が主人公と銘打たれるが、実際はこの三人は導入部でしかなく、時勢風雲急を告げ話が盛り上がってくる頃には子規は死んでいるし、好古・真之は日本を織り成すタペストリーの一部と言う印象。にもかかわらず、この話は抜群に面白い。幕末の黒船来航から始まった欧米列強の侵略の危機を、明治維新を成し遂げ、国を近代国家に作り直し、曲がりなりにも大国ロシアを追い返す所まで来たのがどうにも感動するからだろう。幕末の志士から引き続きのキャストとして、伊藤博文、山県有朋、大山巌など。陸軍から乃木希典、児玉源太郎。海軍から東郷平八郎。欧州諜報、明石元二郎。ロシア側、皇帝ニコライ二世、首相ウィッテ、旅順要塞司令官ステッセル、満州軍総司令官クロパトキン、バルチック艦隊司令官ロジェストヴェンスキー。
坂の上の雲〈1〉

●二百三高地(東映)
乃木と児玉、それと元教師の小隊長を主人公に、日露戦争最大の激戦、旅順要塞攻略を描く。べトン(コンクリート)の要塞と機関銃の前に、壁にぶつけられる卵の如く無意味に死んでいく兵士と、仲代達矢演じる乃木、丹波哲郎演じる児玉に涙が止まらない。この頃の俳優さんは凄いですね。エンターテイメント的には、旅順要塞は風雲たけし城の面白さがあった。戦争の酷さ・恐ろしさと、時代の苦難を乗り越えた日本の祖先たちの凄さと、両方とも描かれているのである意味バランスの取れた映画。児玉かっこいい! 公開当時戦争賛美映画と叩かれたりもしたらしいが、そう見える人間の方が盲目的な軍事アレルギー教育に洗脳されて思考停止しすぎてると思った。だってこの映画、さだまさしの歌に合わせてしつこいほど戦争の悲惨さもちゃんと訴えてるじゃん。現場の悲哀と、指導者の苦渋どちらも泣けるほど描かれている点でもこの映画は視野が広い。児玉が第三軍司令部に乗り込み指揮権を手に入れるシーンと、最後の乃木の明治天皇への謁見シーンは圧巻。
二百三高地

●日本海大海戦(東宝)
T字戦法や東郷ターンが見たかったのだが、このくらいの古さの映画だと自分には演出が若干淡々としすぎで辛かった。明石元二郎のヨーロッパでのスパイ活動がちょっと漫画チックだけどなかなかかっこよい。この頃の日本はちゃんとこういう情報戦の観点もあったんだな…
日本海大海戦

★大正 1912~

●はいからさんが通る(大和和紀)
昔見ていたアニメの刷り込みで「大正」と言うと真っ先にこれが思い浮かぶ。大正時代のチャーミングレディ~。原作では結構当時の風俗に触れていた。婚約者が行ったのは日露戦争だと勝手に思っていたが、読み返してみたらちゃんと「ロシア革命に干渉するための出兵」となっていた。案外しっかりしてる。
はいからさんが通る (1)

★昭和 ―太平洋(大東亜)戦争期― 1926~

●アドルフに告ぐ(手塚治虫)

●エトロフ発緊急電(佐々木譲)

●ケースハード(松本零士)

●ジパング(かわぐちかいじ)

●零戦燃ゆ(東宝)

●ビルマの竪琴(東宝)

●男たちのYAMATO(角川)

●ローレライ(東宝)

●終戦のローレライ(福井晴敏)

★昭和 ―戦後― 1945~

●ヤミの乱破(細野不二彦)連載中!

★昭和 ―安保闘争~全共闘~東西冷戦時代― 1960~

●ICHIGO~二都物語(六田登)
雑誌掲載時の煽りに、「君の知らない昭和史」とあった。(戦後史だったかな)戦後の荒野で、土建屋の社長の息子として生まれた梅川一期。父親達の手で着々と復興してゆく日本とは裏腹に、一期は殺人者として育っていく。ヤクザ、銭湯、山本リンダの歌、大阪万博、円谷幸吉の遺書、三島由紀夫割腹自殺…など、非常に「時代の匂い」を感じさせる作りだった。
ICHIGO二都物語 [少年向け:コミックセット]

●ヤング島耕作(弘兼憲史)連載中!
平成の世から「あの時代を振り返る」わけだから、この時代に生まれるか生まれないかである自分にとって、まさに歴史物。団塊の世代(=父親の世代)の青春の時代を疑似体験。島耕作はノンポリらしい。
ヤング島耕作 (1)

●レッド Red 1969~1972(山本直樹)連載中!
連合赤軍、よど号ハイジャック事件、浅間山荘事件。オルグ、自己批判、総括。恐らく山岳ベースでの凄惨なリンチ殺害が山場になるであろう。死亡する順番と思われる、キャラの頭についている①、②…が不気味。反面、フランス革命だって幕末だって現場の雰囲気はそう変わらない気もする。知ってるようで良く知らない全共闘時代。非常に期待している。今ひそかに一番楽しみにしている漫画。実名だと問題があるのか、人物や団体名が全て変えてあるのが残念。赤城=永田洋子くらいしか覚えれん。

●課長島耕作(弘兼憲史)
これは歴史物ではないが、バブリ~な時代を疑似体験できるので。
課長島耕作 (1)  新装版

★平成 1989~

●沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)
自衛隊と米軍が共同で秘密裏に作った原子力潜水艦シーバットが離脱、独立を宣言。戦闘的独立国家「やまと」を名乗る。連載当初はまだソ連があり、資本主義対共産主義の構図が辛うじて残っていた。が、程なくソ連崩壊、冷戦終結。次代の問題は核拡散、対テロ戦争の時代に向かう。現実の歴史ではないが、この作品にはその時代の空気が色濃く反映されていると思う。
沈黙の艦隊 1 (1)

●部長島耕作(弘兼憲史)
バブルが崩壊するも、結構上手くやる島耕作。弘兼先生は確かインタビューで「不況で苦しむサラリーマンに元気を与えたい」とおっしゃっていたと思う。
部長島耕作 (1)

●アクメツ(田畑由秋 余湖裕輝)
「小泉時代」と見事なほどシンクロ。小泉改革を振り返るのにもなかなかいいんじゃないかと思います。随所に盛り込まれる豆知識的な歴史的観点も、歴史オタ的にオススメですぜ。最初はテロ賛美の危ない漫画かと思っちゃいましたが、その思想的基盤に儒教における中華帝国易姓革命の「放伐」や、フレイザーの「金枝篇」にある王殺しのシステムに通じる所があってなかなか底が深いです。最後の村瀬首相の演説は素晴らしい。田畑先生はどちらも意識していなかった、とおっしゃっていましたが、「時に智者は同じ道を歩む」と言う事でしょうか。
アクメツ 1 (1)

●亡国のイージス(福井晴敏)

●取締役島耕作(弘兼憲史)
「部長~」とは逆に、団塊世代の定年退職、自殺などいきなり暗いシーンでビックリした。舞台が中国に移ったのは、なるほどなあ、と。21世紀は中国の時代と、随分前から言われてるし。
取締役島耕作 (vol.1)

●常務島耕作(弘兼憲史)
中国からインドも視野に入れだしたのが、なるほどなあ、と。21世紀はインドの時代と、随分前から言われてるし。
常務島耕作 (1)

●専務島耕作(弘兼憲史)連載中!
中国に加えて、アメリカも担当しだした。ここまで来ると、肩書きがどこまで行くのか楽しみになってきた。「社長島耕作」はガチとして、ファンの間では「経団連会長島耕作」「内閣総理大臣島耕作」「アメリカ合衆国大統領島耕作」「地球国家元首島耕作」「宇宙皇帝島耕作」等が予想されていると言う。(余談だが、中国南北朝時代の武将・梁の侯景は、「宇宙大将軍」を称した。こういう例もあるからして、今後の時代の推移如何によっては、あながち不可能とばかりは言いきれない。(嘘)) 個人的には「外務大臣島耕作」「国連事務総長島耕作」とかならある気がする。
専務島耕作 1 (1)

★未来 ―地球圏開発時代―

●プラネテス(幸村誠)

●アニメ プラネテス(谷口悟朗)

●ムーンロスト(星野之宣)

●機動戦士ガンダム(富野由悠季)
宇宙世紀は当然歴史だ。
機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)

●機動戦士Zガンダム(富野由悠季)
機動戦士Zガンダム Part I ― メモリアルボックス版

●機動戦士ガンダムZZ(富野由悠季)
機動戦士ガンダム ZZ Part-1 ― メモリアルボックス版

●機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(富野由悠季)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

●機動戦士ガンダムU.C.ユニコーン(福井晴敏)連載中!

●機動戦士ガンダム F91(富野由悠季)
機動戦士ガンダム F91

●機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統(森田崇 中村浩二郎)
自分の描いたものはピックアップw
機動戦士ガンダム クライマックスU.C. ―紡がれし血統― (1)

★未来 ―銀河進出時代―

●2001夜物語(星野之宣)

●銀河英雄伝説(田中芳樹)

★未来 ―悠久―

●∀ガンダム(富野由悠季)

●月に繭 地には果実(福井晴敏)

●火の鳥 未来編(手塚治虫)
人類滅びちゃった…
火の鳥 (2)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

NHKドラマ「坂の上の雲」

頼むからまともなもの作ってくださいよNHK。

「坂の上の雲」の不安

↑のような記事もあってやな感じ。まあゲンダイネットの言う事だから…という気もするが、今回は内容的にはまっとうな事言ってる気も。少なくとも中途半端な予算じゃ日本海海戦なんかしょぼい映像しか作れっこないんじゃなかろうか。(と言うか期待する方が間違ってる?) でも一応欠かさず受信料払ってる身だから、これくらいは言いたくなる。「坂の上の雲」には思い入れもあるし。

「男たちのYAMATO」や「硫黄島からの手紙」もいいけど、荒波を切り抜けて勝ち残った時代だってあったのだ。大和よりも三笠、46センチ砲より東郷ターンですよ(笑)。反省も大事だけど、「ダメだダメだ」だけじゃ何も生まないと思うの。うちらの世代はその刷り込み教育が酷すぎましたけどね。てなわけで、このあたりの時代も凄い映像で見てみたいもんです。うまくやったらラスト盛り上がると思うなあ。

とは言えドラマとして作りにくそうだなあと思うのは、この話、司馬遼太郎先生の原作はキャラ主体で作られていないこと。「竜馬がゆく」や「燃えよ剣」などはそのまま話なぞっても面白いと思うけど、「翔ぶが如く」などの後期の司馬先生の作品はかなり「歴史随筆」成分が濃厚で、ドラマとしてまんまやるのは難しいと思うんですよね。かと言っていわゆる「司馬成分」が抜けて全くのオリジナルになっちゃってもどうかと思うし…。

この作品も、どの紹介見ても「主人公は秋山好古、秋山真之、正岡子規の三人」と書いてあるが、正直言ってこの3人は、導入部に過ぎないと思う。時勢風雲急を告げて話が面白くなってくる頃には、子規は死んじゃってるし、好古・真之兄弟も日本と言うタペストリーを織り成す一要素になってしまっているしで、このキャラを通して話を味わう事は難しい。むしろ203高地での乃木・伊地知や児玉源太郎の方が、キャラのドラマが話そのものの行方に直結していて面白い。

結局主人公は「日本」、と言うしかない物語なので、人間ドラマとしては非常に作り方が難しいと思う。うまいことやってくれたらいいけど。

あと、映像と演出。こう、メリハリ付けたぐりんぐりんかっちょいいカメラワークに出来んものでしょうか。大河ドラマ見てるとノリがまったりしすぎて眠くなるんすよね…。

最近職場で見た「大奥」(主演・松下由樹さんの、春日局のやつ)が、かなりしまりのあるシナリオと演出でぐっと引き込まれて面白かった。民放だけど。このくらいの緊張感あるノリで「坂の上の雲」作ってくれたら、俺なんか大喜びなんですが。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

ヤン提督

古いデータからこんなのが出てきたんでアップしておく

Yoshidasennshanoginneidenn_1 

高校3年~大学1年の時あたりに描いたものだと思う

授業中 勉強もせずにこんな事ばっかりやってた

バカだ 本当にバカだ

…ところで。

銀河英雄伝説 出版社を移籍して復刊

銀河英雄伝説が出版社を東京創元社に移して復刊するそうで。

表紙はなんと、「2001夜物語」「サーベルタイガー」等のマニアックハードSF漫画の第一人者、星野之宣先生!! これは喜ばしい。

現在銀英伝は道原かつみ先生が表紙を描いた徳間書店デュアル文庫版が手に入る唯一の版なのだそうだが、これは装丁からなにからジュニアっぽさ女子中高生向けっぽさがバリバリで、加藤直之先生画のハードSFっぽい装丁で銀英伝に触れてきた俺らには寂しい限りだった。今回のコンセプトはそういう俺らみたいな層に向けた新版のようで(ソース・田中芳樹先生作品管理会社ブログ「とある作家秘書の日常」)、嬉しい。銀英伝を野郎の手に取り戻せ!! 徳間ノベルズ版持ってるけど、買いなおしてもいい。

ちなみに俺上で「ハードSFハードSF」言ってますが、銀英伝の面白さは歴史物としてのそれであって、ハードSFとしての面白さではないと思ってます。確か作者さま自身もあとがきで「わかっててやってる」と言う趣旨の事をおっしゃってたので、その辺は緩い目で見た方が楽しめると思う。

星野之宣先生作品

人を選ぶかもしれないけどSF心ある方ならかなりぐっと来ると思います。僕は短編集「サーベルタイガー」がかなり好き

| | コメント (3) | トラックバック (0)

最近古代地中海世界の歴史にはまってます

historie きっかけは、岩明均先生の「ヒストリエ」。ギリシア・マケドニアの英雄アレクサンドロス大王の書記官・エウメネスが主人公の物語ですが、まったくそんな事知らなくても読めます。感動します!!泣くよ!! むしろ今のところ年表的な歴史的事実との関係は希薄で、3巻現在、まだアレクサンドロスすら影も形も出てきてません(笑)。 いや、もしかしたら一番最初に街を攻めていた若き武将がアレクサンドロスの可能性もあるかな? その直後長きに渡る回想シークエンスに突入したので、それはまだわかんない。後のディアドコイ(後継者戦争)での重要人物・アンティゴノスは出てきてますが・・・

shishiou アレクサンドロス題材だと、阿刀田高先生の小説・「獅子王アレクサンドロス」がかっこよくて燃えてお勧めです。アレクサンドロスと、その友人にして幕僚のヘパイスティオンセレウコスプトレマイオス老将パルメニオンらとの関係は、銀英伝ファンなら、ラインハルトキルヒアイスミッターマイヤーロイエンタール、或いはメルカッツなどの関係を思い出し、ふつふつと燃え立つものを覚えるでしょう。蒼天ファンなら曹操と魏武将たちを思い浮かべてください。また、「征服者」と言うより「冒険家」なんだな、と言うのもこれでイメージつきました。

arex-yas もう一つ、アレクサンドロスはあの、ガンダムの安彦良和先生も描いておられます。「アレクサンドロス~世界帝国への夢~」

ガンダム・ジ・オリジンが今めちゃくちゃ面白いのがきっかけで、最近安彦先生の漫画を探して読み漁ってるんですが、アレクサンドロスも描かれてたとは思わなかった。

解釈は安彦先生らしいと言うか、アレクサンドロスを少し情緒不安定な夢見る危うい少年として描いていて、蒼天曹操のような悪をも鉄の意思で遂行する英雄、巨人としての描き方じゃなかったですね。中盤ちょっと「そんなにネガティブに捉えなくても…」とも思ったんですけど、その辺、超人思想をしない「健全な良識人」感覚を持つ安彦先生らしいかなと。繊細で危うい感じが、それはそれでまた好きな感じなんで味わい深かったです。天才とは容量自体の大きい者ではなく、例えるなら傾けたコップの水、と言う説に僕も賛同する者ですが(そしてそういう人間にたまらなく魅力を感じる者ですが)、その感じが出てるのは良かった。(銀英伝のラインハルトもそうですもんね。) 前半ちょっと読みにくかったんですけど、中盤からどんどん入り込んで来れて、最後はかなり感動してしまった。 短いながら切なさもロマンもあるし、これ、僕はかなり好きですね。

それにしても、いやー安彦先生の絵でアレクサンドロスが読めたのは幸せだった。贅沢言えば、1冊で駆け足でやるんじゃなく、4冊くらいでゆっくりと読みたかった。それだけが残念。 でも変なはしょり方してるんじゃなく、ちゃんと一通りアレクサンドロスの人生が追えます。あ、ヒストリエの主人公エウメネスも、2・3コマだけ出てきてました(笑)。

ギリシアの最盛期を過ぎると、時代はローマ

rome 塩野七生先生の「ローマ人の物語」面白いですね~。文庫化を機に、ついに手を出しました。現在23巻。ユリウス・クラウディウス朝崩壊後の混乱がようやく収まり、五賢帝時代が始まるか、と言うところ。続刊が待たれます。

カエサルクレオパトラアウグストゥスティベリウス・そして同時代に現れる「キリスト」…の流れは、そう言えば昔からちょっと興味あって、高校時代とか大河漫画に描こうとしてプロットとか立ててた事あります。(こういう壮大な事ばっかやりたがるから連載取るのに苦労するんですが・・・(笑)) そう言えば昔読んだ、カエサル対ヴェルキンゲトリクスを題材にした「ローマに挑むケルトの若き狼・ガリア戦記」って小説のイラストも安彦先生が描いてたなあ・・・。

カエサルは多才の人で、政戦両略の天才の上に史上まれに見る革命家、その上文学史上の巨人でもあると言う、どうやら蒼天曹操にかなりタイプの似た英雄のようです。女ったらしで人妻好きのところも似てる(笑)。帝政(あるいは簒奪)への道を開きながら自らは帝位に付くことはなく、後継者が初代皇帝になるところも似ている。(もっともローマ皇帝と中華皇帝とは権威も権限もまったく違いますが。) 

また、カエサルの子カエサリオンを生むエジプト最後の女王クレオパトラ7世は、上記のアレクサンドロスの武将、プトレマイオスの子孫なんですよねー(プトレマイオス朝エジプト)。こういう因縁の絡み合い、たくさんの人間の、何世代・多民族に渡る壮大なドラマが歴史ものの醍醐味。

いつか蒼天航路みたいに、こういう魅力を出せた作品を描ければいいんだけど。

ちなみに、補足トリビア。「イスカンダル」とは、「アレクサンドロス」のアラビア語・ペルシア語名。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

しつこく名劇話

ペリーヌがあまりに面白かったんで気分が未だ覚めやらず、名劇のオープニング映像集流したり、ふらふらとネットサーフィンして名劇関連の記事読み歩いたり、原作の小説のレビュー見たりしています。

で、思ったこと。

ポリアンナってもしかして面白そう?

リアルタイム当時クソガキだった俺は「よかったさがし」って響きが逃げ出したくなるほど苦手で、ポリアンナは完全に「見ず嫌い」でした。が、今回名劇紹介してるサイトであらすじ読んだら・・・あらすじ読んでるだけで泣けてきたぞヽ(´Д`)ノ 

「よかったさがし」にそんな背景があったとは・・・ゴメンm(__)mポリアンナ

泣けると言ったら断然これ、と複数のサイトで紹介してありました。勿論泣ける=名作ってわけでもないけど、やっぱり見ず嫌いはいけないな~。

あらすじ見たあとオープニング映像見てたら、それだけで目頭にくる物があります(笑)。いつか見てみよう。

●ルーシーはやっぱり…

これの前のトム・フローネがホントに大好きだったので、当時ルーシーも期待して前半はかなり熱心に見てたんですよね。歌も1番覚えてるしキャラも決して嫌いじゃなかった。だけど途中でどうしてもつまんなく感じちゃったのは・・・、改めてあらすじ見ると、どうやら、他の名劇と違ってこれだけ主役(ルーシー)が物語を引っ張っていってない、厳しく言っちゃえば「傍観者であって主人公じゃない」んですね。メインストーリーにおける問題点に対して、積極的に関わっていく存在じゃないんだ。ラストでは大きく関わるようだけど、そこに行くまでに飽きてしまった。僕はこういうのにはどうしても興味が保てないらしい。

あとこれの原作は、アニメが始まった時まだ本国で雑誌で連載中だったそうです。

ますます「名劇の基準って何?」って感じ(笑)

●若草物語

続編でベスって死ぬんだ!!!? うあーまじかよー。 きついなあ。

僕が昔読んだやつが若草物語第1作らしくて、アニメもこれにほぼ忠実。メグの結婚あたりで終わる。で、その後「続・若草物語」ってのがあって、これでベスは死んじゃうそうです。なんかショックだ。

さらに続編が「第三若草物語」「第四若草物語」で、これが名劇の「若草物語 ナンとジョー先生」の原作らしいです。ナンとジョー先生はまったく見てなかったんだけど、昔ちろちろと面白いと言う評判を聞きました。当然死んじゃってるベスは出てこないんですが、この中で、第1作のラストでメグと結婚したブルック先生も死んじゃうらしい。案外容赦ないなあ。

ちなみに小説でもアニメでも当時の僕には若草物語の面白みはいまいちわからなかったんですが、この前読んだ「ガラスの仮面」の、マヤがベス演じた「若草物語」は面白いと思った。ベス、助かったと思ったのに…__| ̄|○

●あしながおじさん

…の原作小説は、結構面白く読みました。全編ジュディからの手紙のみで構成されてるのが面白いんですよね。リアルタイムで状況を追えるわけじゃなくて、あくまで「ジュディからの報告」と言う形でしかわからないのが歯がゆくて面白い。あしながおじさんの正体は秘密、という謎で興味を引っ張るし、推理小説の叙述トリックにも似た面白みを感じました。最後のどんでん返し?もあるし、それがここまで読んでジュディに思い入れができた身には心地よくもあるし(笑)。(この本男性向けじゃん?と逆に心配にもなる…。冷静に考えたらキショイと言われてもしょうがないぞあしながおじさん。)

しかしこの小説「手紙」って形式が面白いんだから、これアニメにして面白い? とまず思った。どうだったんでしょうねえ。ちょこちょこ見た限りは、イメージには合ってると思いましたけど。

●トラップ一家物語

映画「サウンド・オブ・ミュージック」が好きなんで、これ、一度ちゃんと見たいです。(例によってちょこちょことは見てたけど。) ナチの追手から脱出するところとか燃えますよね。アニメでヒトラーとかは出てくるのかな? 

フロイライン・マリアが声(勝生真沙子さん)も外見も銀英伝のフロイライン・マリーンドルフに似ていたのが当時萌えポイントでした。ところで、「フロイライン」って、名前につけても苗字に付けてもいいのでしょうか。

●小公女セーラ

どうも調べたら、原作のセーラはもうちょっと毅然としていて、「身を落としても気位は落とさないこと」にもっと比重が置かれてるらしい。自分をマリー・アントワネットになぞらえていて、貧乏になった自分を殴るミンチン院長に、笑いを浮かべて「あなたは自分が何をしているのかわからないのです」と言い放つあたり、なかなか不敵で痛快だ。なるほど、それならこのプロットにも納得!それでこそまさに小“公女”! 

最後にまた財産を得ると言うラストならば、この辺のセーラの気位をちゃんと印象的に描かなければ、仕掛けとして、なにがなにやらわからない。僕の読んだ子供用の小説も、聞いた話ながらアニメの方も、なんだかセーラを可哀想ないい子にしようとするあまり原作のプロットが破綻してるんじゃないかなーと思った。いや、アニメの方は実際に見てないんでわかんないですけど。

とにかく原作はちゃんとしてるんだなーと思った。そりゃそうだわな。

20年越しの疑問が解決した気分。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

名作劇場の条件?

名作劇場、家なき子レミを最後にシリーズ打ち切りとなってしまったわけですが、こういう路線、やはり一つくらいはシリーズとして続けてて欲しかったですね。視聴率が取れなくなったのだからしょうがないですが、戦隊物が一時の低迷から息を吹き返したように、続けていたら息を吹き返してたかも?

ところで今まで、「世界名作劇場」のシリーズはハイジからレミまで、全部で24作品あります。(厳密に言えばハイジはシリーズに入らないらしいですが。)

1974 アルプスの少女ハイジ
1975 フランダースの犬
1976 母をたずねて三千里
1977 あらいぐまラスカル
1978 ペリーヌ物語

1979 赤毛のアン

1980 トム・ソーヤーの冒険

1981 家族ロビンソン漂流記ふしぎな島のフローネ

1982 南の虹のルーシー

1983 アルプス物語わたしのアンネット

1984 牧場の少女カトリ

1985 小公女セーラ

1986 愛少女ポリアンナ

1987 愛の若草物語

1988 小公子セディ

1989 ピーターパンの冒険

1990 私のあしながおじさん

1991 トラップ一家物語

1992 大草原の小さな天使ブッシュベビー

1993 若草物語 ナンとジョー先生

1994 七つの海のティコ

1995 ロミオの青い空

1996 名犬ラッシー

1996 家なき子レミ

この中で僕がリアルタイムで見てたのはルーシーの途中までで、そのままアンネットはまったく見ず、その後なぜかカトリは欠かさず見てた記憶があります。その後もちょぼちょぼとは見たけど、ちゃんと見てたのは多分そこまで。

セーラ原作(小公女)の方先に読んでてラストがどうにも好きになれなかったので、まったく見なかった。「金を失ったらみんな意地悪になって、金を得たらみんな手のひらを返す話」って、なんだそりゃ、バーン!!(←ちゃぶだいがえし) 

全編辛いくせに、ラストカタルシスねーじゃん!

ところがのちのち野郎同士で名劇話すると、セーラはなかなかの人気クラリス・ナウシカ・管理人さんの島本須美声にみんなやられてしまったのか、はたまたアニメの演出が抜群に良かったのか、そもそも俺の読んだ子供用の訳本が悪かったのか。単に俺がろくでなしなのか。いつかちゃんと見て確かめたいと思います。

リアルタイムで一番毎週楽しみに見てたのは断然「トム・ソーヤー」と「フローネ」。どっちもやはり冒険物の色彩が強かったからでしょうね。特にトム・ソーヤーは原作ともどもダントツにお気に入りです。宝捜しはするわ家出はするわ人殺しは目撃するわで名劇の中では群を抜いてワクワクして見てました。エンディングの歌も良かったですね。ミシシッピ・リバー。

今見るとどうだかわかりませんが、それに比べると次のルーシーどうにも退屈で途中で見れなくなってしまった。

その流れでアンネットも見なかったんですが、これ、再放送でたまたま見たら、なかなかエグイ話ですね。主人公が名劇的な「いい子」じゃない点、結構異色かも。その反動か、カトリは確か、やたらといい子でした。お話的には、ひたすら屋敷のお手伝いをする話でそんなに起伏もなかったんですが、それほど退屈することもなく割と好きで見つづけた記憶があります。今見るとどうなんだろう。


僕は小さい頃本好きな子だったんで、ハイジフランダース母をたずねてラスカルアントム・ソーヤー小公女若草物語ピーターパンあしながおじさん・・・あたりは名劇と前後して小説版を読んでました。(と言っても子供用のですけど。) 

ところが、その他にもっと、何度も何度も読んだお気に入り小説が一杯ありました。

巌窟王三銃士鉄仮面海底2万マイル月世界旅行ガリバー旅行記神秘の島十五少年漂流記宝島宇宙戦争ロビンソン・クルーソージキル博士とハイド氏アルセーヌ・ルパンシリーズ。etc.etc...。あとはライト兄弟の伝記なんか好きだった。

子供心に、毎年新番組の季節になると、海底2万マイルや十五少年漂流記あたりを「次こそは、次こそは」と期待してたものです。ヘタにトム・ソーヤー(これも本の時から好きだった)がアニメ化してたもので、当時余計期待してしまってた(笑)。そのうちにルーシー→アンネット→カトリ→セーラ→ポリアンナ→若草あたりの流れで完全に絶望して名劇から離れてしまった。あの当時、毎年「またこんなのかよー!」と怒り狂ってた覚えがあります(苦笑)。

上の作品群だって名作度、古典度、有名度なんかは申し分ないと思うんだけども、このあたりのはやはり名劇系とは認められないものなんだろうか・・・? トムとかピーターパンとかやってくれるくらいだから、絶対ダメとは思わないんですけども。やっぱりざっと見て、この系統極端に少ないですよねー。名劇の基準はどこにあるんだろうせめて2:1くらいでこういうワクワクするのも入れてくれれば良かったのに。そんなセンスだから打ち切りになるのだ。

このシリーズ以外だと、出崎監督の「宝島」とか(これは小説以上に大好きだった。ジョン・シルバーのかっこ良さは名アレンジ!)、NHKでやってた「アニメ三銃士」とか結構あるんですよね。名劇シリーズも、もうちょこっとこういう路線も混ぜてくれたら、もっと良かったんだけど。

ところで、上に上げた作品群、そのままやってはくれないんですが、結構SFにアレンジされてますよね。

残された人びと → 未来少年コナン

海底2万マイル → ふしぎの海のナディア

十五少年漂流記 → 銀河漂流バイファム(?)

あたりがぱっと思いつきますし、最近巌窟王が、宇宙を舞台にロボットを駆るハードSFとなって蘇ったようです。(巌窟王のアニメ化はかなり嬉しかったんですが、最初の3話くらいを見てあまりのヤオイ臭に挫折。でもネットなどでいい評判も聞こえてくるので、いずれ再挑戦しようと思ってます。)

SFは好きなんでそれはそれでいいんですけど、上のはどれも「原案」程度でしかなく話は完全に別物ですので、できれば名劇のように、原作に極めて忠実に流れを大事にやってるのが見たいですねー。万が一名劇が復活することがあったら、巌窟王や海底2万マイル、十五少年漂流記あたりは、是非混ぜていってもらいたいです。

ん? ところで関係ないけど、トム・ソーヤーや宝島あたりをSFにアレンジしたら、結構面白いのかな・・・?

| | コメント (2) | トラックバック (1)