☆アルセーヌ・ルパン

2007年7月31日 (火)

ルパンの名作「813」は翻訳独占権のせいでなかなか新訳が出なかった

「孫悟空」と言うとすっかりドラゴンボールを指すようになったと思ったら、最近香取さんの孫悟空がなまかなまかと大攻勢。え…あれ人気あるのか…(;´Д`) …それはまあいい。ドラゴンボールも好きだけど、元の西遊記の斉天大聖孫悟空も好きだから。(ドラマはやはり堺正章さんのが良かったけど。) 元祖が認識されるのはいいことです。

だったら、と言っちゃあなんだけど、そろそろ「ルパンといったらアルセーヌ・ルパン」になるような動きが盛り上がらないだろうか(笑)。ここ数年ちょっぴりそういう動きが出てきたと思ったら、まーだルパン三世やるんだなあ。ルパン三世のキャラ配置の濃さや音楽の素晴らしさは認めるしかないけど、元祖「アルセーヌ・ルパン」シリーズも忘れさられるには惜しいシリーズですよ。著者ルブランの死後50年で日本での著作権が切れたのに伴い、現在新潮、創元、ポプラ社各社の翻訳独占権も切れて、今ではどこの出版社も自由に出せるはず。なのでどこか出版社さん、新訳シリーズ出してくれませんかねー。(いち早く動き出したハヤカワの新訳は名訳なんだけど、リリース遅い!!!) あと、漫画化するなら是非お声をおかけください!(笑)

ルパンシリーズは著作権に伴う翻訳独占権の関係で後期の作品は児童版以外はほとんど世に出回ってません。ルパンシリーズ前期の名作「奇岩城」はいろんな出版社が定期的に出していてまだ読まれているのですが、奇岩城と並び称される名作「813」は上記の事情でほとんどの人が完訳を手に取れる状態にはなっていない。(「813」そのものはルパンシリーズ前期の作品なんですが、本国で後期に二分冊で出しなおされていて、当時の日本の翻訳独占権の契約では後期作品と同じ扱いになってしまっているそうです。) 読んだ事があるという方も、おそらくポプラ社の児童版「8・1・3の謎」のみ読んだという方が多いと思う。もったいない! 「813」ほど児童版だけではなく完訳版も読んで欲しい作品はないです。全然違いますよ。大人の事情で、名作が読者の眼に触れない状態になる。なんて不幸な事だ。

話は飛びますが、ITメディアニュースでこんな記事が。

いや、ルパンシリーズでやきもきしてた身にすれば、死後50年でも長いっしょと思います、諸先輩方。今生きていかなきゃならないんでさすがにWinnyでも…とまではなかなか言い切れないが、基本はうちら、あくまでたくさんの人に読んでもらいたくって頑張ってるんじゃないでしょうか。ましてや死後の利権なんて、そんな時期まで読んでもらえる幸せを考えたらどうでもいいのでは。作家なんて人格破綻者ばっかりで、筒井康隆先生がエッセイで曰く「作家が一人現れたらその周りは死屍累々」だし、そういう意味で直接迷惑かけた親兄弟妻子に利権で恩返し…と言うのはわからんでもないが、にしても死後70年ってどんだけ自立してないんだよ子孫、と思うがどうでしょう。

末永く読んでもらえ、引用してもらうほど人々の心に残るのが一番幸せだと思うんですがねえ。人の目に触れられなくなるほど枷を強くして、忘れられちゃうのが一番哀しくない?

とは言え作り手業界自体に金が入らなくなったら、余裕がなくなって鉄板の企画しか通らなくなって、新人の育つ余地がなくなってしまう。そういう意味で業界が儲かるシステムを安易に否定して欲しくはありませんが、ITの発展で著作物を取り巻く時代そのものが変わってきたんで、古い時代の固定観念にとらわれず何とか受け手にとっても作り手にとっても一番面白い形を模索していって欲しい、模索していければと思いますね。

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2006年11月 1日 (水)

アルセーヌ・ルパンシリーズ全容 vol.3

まいどー。たぶん定期的に見に来てくれる方には、あまり興味がないと思われる「アルセーヌ・ルパンシリーズ全容」第3弾です(笑)。いや、少しでも「三世」ではない、「アルセーヌ」の魅力に興味持っていただければと(笑)。あと、どこかの出版社がルパンシリーズを漫画化しようとする際には是非私を!と言う目論見もあります(笑)。

さて、前々回前回とルパンシリーズの根幹とも言える全21冊(813を正・続と分けた場合22冊)について、ざっと俯瞰してみました。今回は、準・ルパン譚とも言える何冊かと、原作者ルブランの他の著作について御紹介します。

2006年現在、もっとも完全なるルパン全集は偕成社の「アルセーヌ・ルパン全集」

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偕成社版・アルセーヌ・ルパン全集(全25巻・別巻全5巻・ハードカバー)

なのですが、上記の通り、全21冊にもかかわらず、本伝だけで25冊あります。これは「813」と「虎の牙」が正・続、あるいは上・下で2分冊になっているためですが、その他にも「ジェリコ公爵」「赤い数珠」の2冊が、ルパンが登場しないにもかかわらずシリーズに組み込まれているからです。また、このシリーズには「別巻」扱いとして、原作者ルブランのルパンが出てこない他の著作も5冊ほど(「女探偵ドロテ」「バルタザールのとっぴな生活」「3つの眼」「真夜中から7時まで」「赤い輪」)が収録されています。またこのシリーズには収録されていませんが、邦訳で読めるルブランの著作として、創元推理文庫でのみ出版されていた「ノー・マンズ・ランド」という著作もあります(現在は絶版)。

実は偕成社の別巻も長らく品切れ状態だったのですが、2006年、つい先日、めでたく重版がかかりました。おかげで僕も手に入れられた。これもルパン100周年のプチブームの影響ですね。めでたい。

上記の8冊のうち、「赤い数珠」「女探偵ドロテ」は、ルパン本人は登場しないものの、ルパンシリーズ本編と作品世界を共通とし、本編と密接に関わる「準ルパン物」と言える作品かと思います。特に「ドロテ」はルパンシリーズの背骨となる「カリオストロ4つの謎」のうちの一つを扱っているので、別巻扱いはおかしいですね。本編とまったく関わりのない「ジェリコ公爵」と交換するべきだと思います。

では、1冊1冊について簡単に俯瞰。

●ジェリコ公爵 ★★☆
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品。が、偕成社のルパン全集では何故か本伝に組み込まれている。記憶喪失の謎の男「エロン・ロック」と、地中海を荒らす海賊王「ジェリコ公爵」との謎に満ちた繋がりの物語です。ルブラン作品お約束の「エロン・ロックと令嬢の恋」も絡めて、なかなか魅力的に仕上がってはいます。ただ、正直オチは読める(笑)。エロン・ロックの、またジェリコ公爵のキャラクターがルパンと酷似しているんで日本の訳者たちはシリーズに入れたがるのでしょうが、個人的にはそのせいで読んでて混乱した。まったく別作品として読んだ方が楽しめるかと思います。

●赤い数珠 ★★☆
準ルパン譚。ルパン本人は出てこないが、ルパン譚の「カリオストロの復讐」での重要な登場人物であるルースラン判事が主人公の物語。(こちらの方が発表が先なので、ルースラン判事を「カリオストロの復讐」にゲスト出演させた感じか。) 物語そのものはルパン譚とは違って落ち着いた大人のドメスティック・ミステリと言った趣。主人公のルースラン判事も、ルパンのようなスーパーヒーローとは違った、ポアロやメグレ警部のような系統の落ち着いた探偵である。ルブランの作品年表では後期の作品だし、クリスティーだのヴァン・ダインだのが現れた時期だと思うので影響を受けたのかな?

●女探偵ドロテ ★★★★
準ルパン譚。別名「綱渡りのドロテ」。これは結構面白い。孤児を引き連れてサーカスをしながら旅する少女が、ルパン並みの知恵と勇気を持ってフランスに伝わる大きな謎を解き、宝物にたどり着く物語。ビジュアル的に「ペリーヌ物語」のペリーヌを思い浮かべて読んでいた。たくましいながら上品な所と、圧倒的に賢いところがドロテとペリーヌはかなり重なるんですよね。旅する貧乏少女のイメージも一緒だし。

ルパンシリーズに密接に関わる、と言う部分は、このドロテが解く謎が、「カリオストロ伯爵夫人」に記されている「カリオストロ4つの謎」のうちの一つであると言う事。4つの謎とは「イン・ロボール・フォルチュナ」「ボヘミア諸王の敷石」「フランス諸王の富」「七本枝の燭台」で、後ろの3つはそれぞれ「三十棺桶島」「奇岩城」「カリオストロ伯爵夫人」でルパンが解くのだが、最初の一つ、「イン・ロボール・フォルチュナ」だけは、この物語でドロテが解く事になるのである。

ルパンはどうしてたのかなー、とか、実は影からドロテを見守ってたんじゃないかとか、想像が広がるところ。

●バルタザールのとっぴな生活 ★★★★
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品。でもなかなか面白かった。ルパンとはまったく逆の、「人生には冒険などない」という哲学の持ち主の、少々滑稽さの漂う主人公バルタザール先生。が、自身の哲学とは裏腹に、彼にはこれでもかというほどとっぴな事態が降りかかる。その辺がもう滑稽さ満載でかなり笑わせてもらった。またバルタザールを何故か崇拝しきっていて何くれとなく身の回りの世話を焼いてくれる、孤児の少女コロカントが偉くカワイイ。現代のメイド萌えの方たちにも自信を持ってお勧めできる…気がする(笑)。こういう初々しい関係は、ドン・ファンたるルパンと言う主人公では描けなかっただろうな。

●3つの眼 ★★★★
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品なんとSF!! なんと、とは言うものの、フランスはあのジュール・ベルヌの国だし、ホームズのコナン・ドイルだってSFを書いてるし、それほど不思議な事ではないのかも。おじの発見した「B光線」とは? おじを殺した犯人は? 「B光線」によって映し出される映像とはなんなのか? ネタバレになるのでこれ以上内容には触れづらいですが、ちゃんとSFしててなかなか面白かった。当然古典的だが、センス・オブ・ワンダーを押さえてる。ルパンの作者らしくミステリー仕立てであるが、ラストはなかなか壮大な気分にさせてくれる。むしろ今のSFにはこういう部分が足りない。あと、ヒロインはルブランお約束のツンデレ。

●真夜中から7時まで ★★★☆
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品。上記作品は、どれも結構さわやかなジュブナイル的空気の漂う作品だが、これは一面「恋愛心理小説家」たるルブランの特徴が出た、なかなかエロい作品。って言っても直接の行為の描写はないんだけど。タイトルの「真夜中から7時まで」がそのものソレを現している。軽率さと男に対する無知から自分自身を「賞品」としてしまった令嬢と、それをたてに欲望を募らせる男たち、と言う構図。主人公もルパン以上のドン・ファンだし、誰に安心感を抱いてよいのやら(笑)。そしてヒロイン自身のよろめきっぷりが、また不安をかきたてられる。でもそこにリアルを感じちゃったりして。女性の心理描写とか、なかなか巧みなんだと思います。

●赤い輪 ★★★☆
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品。(でも、昔のポプラ社の児童用ルパンシリーズには、組み込まれていた。) 手の甲に赤い輪が表れると、その者は犯罪を犯す…。その赤い輪が、ある高潔な心を持った令嬢の手に!! 遺伝的犯罪、というテーマが読んでて少々嫌な暗さを感じさせる作品。が、どんでん返しの仕掛けも工夫されているし、読後感はさわやか。特に母親との関係は泣かせます。

●ノー・マンズ・ランド ★★★☆
ルパン譚とは関係ない、ルブランの別作品。これだけ、偕成社のシリーズには別巻にも組み込まれていなくて、創元推理文庫でしか読めない作品になっています。(しかも現在では絶版。僕はアマゾンの中古で手に入れました。) 天変地異によってドーバー海峡に地峡が現れ、フランスとイギリスが地続きになった!主人公は未知の大地の探索に乗り出す。これも「SF」の範疇になるのかな。面白いことは面白いけど、主人公が冒険に乗り出す最初の動機が漠然としすぎていて前半ちょっと入り込みにくかった。中盤以降は面白かったです。

今回は、以上で締めさせていただきます。総じて、ルパン物の下位の作品より、これら別巻の作品の方が面白かったと言う印象です。これはさすがに後期になるとルパンではネタがなくなっていったと言う事と、「3つの眼」や「ノー・マンズ・ランド」のような世界観そのものを揺るがすような事はルパンではやれなかった事、また、読み手であるこちらも、つい「ルパンならこうしてくれる!」と言う過大な期待を抱いてしまう事があるかと思います。

いずれにせよ、ルブランは「ルパン」の名前に寄りかかった虚像のような作家ではなく、ルパンの名に頼らなくても物語作家として十分に面白い、偉大な作家と再確認しました。さすが「奇岩城」「813」の作者。そりゃあれだけの物書ける人が、ただの運がいいキャラ人気作家であるはずはないわなー。

次回は、ルパン物で邦訳されていない戯曲などの作品を簡単に御紹介します。また、ルパンを使った他の作家によるパスティーシュ(偽作)なども御紹介。特にボアロー=ナルスジャックによる「新ルパンシリーズ」全5冊は、ルブランの息子のクロード・ルブランのバックアップも得た、「正式な続編」と言ってもいいかと思うほどのクオリティーです。(ポプラ社の児童用怪盗ルパンシリーズ30巻版には、全部組み込まれていました。現在の20巻版からは排除)

では今回はこのへんでー。

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2006年9月 2日 (土)

アルセーヌ・ルパンシリーズ全容 vol.2

時間が空いてしまいましたが、アルセーヌ・ルパンシリーズ全容紹介、第2弾です。(第1弾はこちら。) 前回に続き、僕なりにルパンシリーズを俯瞰してみたいと思います。前回は第1作「怪盗紳士ルパン」から第12作「虎の牙」までを書いてみました。今回は第13作「八点鐘」から第22作「ルパン最後の事件」までを書きたいと思います。

前回書きましたように、ルパンシリーズの、特に長編の大傑作、スケールのでかい大冒険は前期に集中していると思います。また、時系列的にほぼ順を追った大河的な流れも、1900年あたり、「ベル・エポック」と呼ばれる時代が舞台と思われる「怪盗紳士ルパン」から第1次大戦後の1919年が舞台と思われる「虎の牙」まででいったん途切れます。この後は、「奇岩城」と「813」の間の「空白の4年間」を描いたサイド・ストーリー的なもの(「八点鐘」「緑の目の令嬢」「バーネット探偵社」など)、「怪盗紳士ルパン」以前まで遡って初めての冒険を描いたエピソード1的な話(「カリオストロ伯爵夫人」)など、最盛期に比べたら少々小粒ともいえる作品になっていきます。

ただ、だからと言って全てイマイチかと言うとそういうわけでもありません。特に連作短編集である「八点鐘」「バーネット探偵社」は、これだけで別シリーズを立ち上げてもいけるんじゃないかと思うほど独特の魅力に満ちていて、前期の大傑作達と充分張り合えるほどの作品だと自信を持って言えます。(特に個人的に「バーネット探偵社」は大好き。) また、後期は恋愛要素(アバンチュール要素)が強いので、もしかしたら女性読者は後期作品のほうが好きなのかも知れません。(実際ブログなどを回ってみると、そういう傾向を感じました)

では、第13作「八点鐘」から行ってみましょうー。

13、八点鐘 ★★★★☆
連作短編集。セルジュ=レニーヌ公爵とオルタンス・ダニエル嬢のコンビが次々と冒険に身を投じ事件を解決していく、八つの短編から成っている。レニーヌ公爵の正体は、やはりアルセーヌ・ルパン。しかしこの作品では彼は一切盗みを働きません。ルパンの名前も表に出しません。人助けに徹します。銘記はされていませんが、恐らく「奇岩城」のラストで姿を消したルパンが「813」で再び世に現れるまでの「空白の4年間」に起こった、彼にとっては休暇なのでしょう(笑)。一つ一つのエピソードはミステリ短編としても評価が高くテレーズとジェルメーヌ」は密室トリックの元祖の一つだと思うし、「雪の上の足跡」のトリックは、その後の推理小説に何度もアレンジして流用されました。また、「水びん」のトリックはミステリ・アンソロジーなどによく取り上げられたりしています。それと、僕が注目するのは、元心理作家であったルブランならではの、心理劇としての側面。前述の「テレーズとジェルメーヌ」「ジャン・ルイ事件」は、パズルのためのパズルではない、人の心こそが謎を生むと言う、ルパンシリーズの裏テーマとも言える特徴が現れていてお気に入りです。

14、カリオストロ伯爵夫人 ★★★☆
長編。近年映画になった「ルパン」は、この話が下敷きになっています。時代は大幅に遡って、1894年。ルパン20歳の時の、最初の大冒険です。恋愛小説としての側面も多分にあって、20歳のルパンは若き令嬢クラリスと、妖艶な謎の美女カリオストロ伯爵夫人の間で揺れ動きます。そこが若い頃読んだ時はウザかった(クラリスが可哀想で…)とこだが、今読んだらそこが面白かった(笑)。イヤー恋愛の機微っつー奴ですな(苦笑)。ルパンはこのカリオストロとの対決を通じて成長し、その才能を開花させていくのです。ルパンシリーズの背骨となる「カリオストロ4つの謎」の存在も明らかになるし、エピローグで「怪盗紳士ルパン」の誕生を目の当たりにすることになるし、ルパンを語るのにはずせない1作。

ちなみに宮崎駿の「カリオストロの城」とは、ストーリー上の類似点はほとんどありません。タイトルとヒロインの名前だけ流用したそうです。

15、緑の目の令嬢 ★★★☆
長編。これもおそらく「空白の4年間」の話ですね。「緑の目の令嬢」オーレリーを、陰日なたからルパンが守るお話。ルパンの「女性を守る騎士」的な性格が一番現れてる作品だと思います。可憐な令嬢のピンチにきっちり現れるルパンは、男から見てもカッコイイ。ヒーローだなあ。この作品は敵キャラであるマレスカルへのルパンのからかいっぷりが面白いのと、あとなにより最後の「お宝」ですね。宮崎駿「カリオストロの城」の「ポケットには大きすぎるお宝」は、この作品からの流用です。カリ城の方で有名になりすぎちゃったんでアレだけど、凄いアイディアだと思う。

16、バーネット探偵社 ★★★★★
連作短編集。これは面白いです。パリの真ん中に「調査費無料」という人を食った看板を掲げている「バーネット探偵社」。調査費無料を謳いながら、実はその裏で、ケチな調査費なんかとは比較にならないほどの大きな報酬をくすねて行く。探偵ジム・バーネットの正体は勿論アルセーヌ・ルパン。毎回バーネットの活躍で事件は解決し、善人は開放され、悪は懲らしめられ、それ以上にバーネット(=ルパン)は大笑いしていると言う、痛快極まりない作品。相棒であり敵(?)でもあるべシュ刑事が、哀れながらもいい味出してます。伝記作家の「わたし」を別にすると、ルパンシリーズ全編通してルパンの対等の親友と言える立場のキャラは、彼だけではないでしょうか。これもおそらく「空白の4年間」を埋める作品。

17、謎の家 ★★☆
長編。長編にしてはトリックが…。ちょっと単純すぎて読めちゃったかな。1冊分引っ張るほどではない。ただし、前作「バーネット探偵社」とのリンク度合いが強く、その点は○。バーネットの相棒であったベシュ刑事が再び出てきます。この作品でルパンは海洋冒険家ジャン・デンヌリとして登場しますが、ベシュ刑事がデンヌリを「おめーバーネットだろう」と常に疑いのまなざしを向けているのが笑えます。今作においてはベシュとルパンは敵対気味。これもおそらく「空白の4年間」…と言いたい所ですが、だとすると世間にルパンの名前が噂されてしまった今作は、「813」での記述と矛盾をきたしかねないんですよね。どうなんだろう。

18、バール・イ・ヴァ荘 ★★★☆
長編。前作に引き続き、またまたベシュ刑事が出てきます。個人的に上の2作とあわせて「ベシュ3部作」と呼んでいます(笑)。今作では一転、逮捕をあきらめたのかベシュはルパンに好意的。再び「バーネット探偵社」の頃のようなコンビで事件にあたります。「バール・イ・ヴァ」とは「潮がそこまで来る」の意。錬金術、古い記憶、古代の宝…と、久々におどろおどろしい雰囲気が味わえて、後期の長編の中では結構好きな作品。ただ若干短いのと、敵の正体が微妙なんで、やはり小品の印象はぬぐえないかな。お宝のスケールはかなりのもんだと思うんですけど。

19、二つの微笑をもつ女
長編うーん、正直タイトル以上の意外性が感じられない…。読めちゃいます。それなりに分厚いのに、それに見合う意外性やワクワク感は感じなかった。これは設定的にいつの時代になるのかなあ。第1次大戦前(つまり「813」前)だとは思うんだけど。

20、特捜班ビクトール ★★★★
長編。これは結構好きです。偏屈な老刑事ビクトール・オータンと、再び活動を再開したアルセーヌ・ルパンの対決。時期的には、ようやく「虎の牙」の後。(結婚したはずのフロランス嬢はどうしたの?(笑)) 終始ルパンが不利で追い詰められていくように見えますが、最後のカタルシスは見事!「見ろ!これが真の英雄、生まれながらの親分(パトロン)だ!」と敵前でアントルシャを踊るルパンのシーンには、胸をすくような思いが味わえます。

21、カリオストロの復讐 ★★
長編。うーん、これは微妙だなあ。話的には興味深いです。ルパン50歳近く「虎の牙」「特捜班ビクトール」より後。カリオストロ伯爵夫人にさらわれた息子・ジャンが、四半世紀の時を越えて青年としてルパンの前に現れます。そして恐ろしいメッセージ。「私、カリオストロ伯爵夫人は復讐する」。ルパンシリーズの背骨、その決着とも言える話なんで興味深くないはずはないんですが、いかんせん、この作品のルパンは状況に翻弄されるだけで何一つ自分で解き明かさない。物語を引っ張っていかない。どんでん返しの立役者になるのは別のキャラ。ルパンは苦悩する立場なので「そこがまたいいんじゃん」と言えなくもないのですが、やはりカタルシスがないのは否めませんでした…。せっかくの長い因縁の決着なのになあ。

22、ルパン最後の事件 ★★
長編ルパン50歳「カリオストロの復讐」より後です。原題は「アルセーヌ・ルパンの数十億」なんですが、発見されているかぎりこれが最後のルパン作品なので、偕成社の全集などではこう訳されています。アメリカのマフィアが、ルパンがその生涯で溜め込んだ数十億フランに及ぶ財産を狙う話。話としては正直それほど面白くなかったんですが、宝を狙う立場から、狙われる立場になったのは結構面白いと思いました。そりゃそうだわなー、あれだけ稼いでたら(笑)。敵がアメリカマフィアと言うのも、時代の移り変わりを感じさせていいですねえ。ベル・エポック、ヨーロッパの時代、怪盗紳士の時代は終わった。これからはアメリカだ、マフィアだ…ところがどっこい、アルセーヌ・ルパン、未だ健在!若造には負けん!…そんなところが感じられて、ラストを飾るのになかなか味わいがあっていいと思います。ガニマールやベシュが再登場するのも嬉しいです。

以上で、ルパン作品全22作(「813」「続813」を1冊として数えると全21作)を俯瞰してみました。アルセーヌ・ルパンに興味を持った方が、「どれから読んでみよう?」と思ったときに、多少の参考にしてもらえるとありがたいです。(でも個人的な感想なのでそのつもりで(笑)。)

次回は「準ルパン譚」と呼べる作品に触れたいと思います。

実は最近、長らく品切れ中だった偕成社の「アルセーヌ・ルパン全集別巻」に重版がかかり、僕もようやく手に入れることが出来ました。二度と読めないと思っていたので感激モノでしたよー。「別巻」はルパンの出てこないルブラン作品なんですが、これがなかなか面白かったです。どんでん返しも効いてて、いやーさすがルブラン。「奇岩城」や「813」を書いた作家だけあります。個人的には、ルパン作品の下位に位置するような作品より面白いのさえありました。

てなわけで、次回のvol.3の「準ルパン譚」に続きます!

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2006年5月25日 (木)

アルセーヌ・ルパンシリーズ全容 vol.1

このブログを立ち上げた時から「アルセーヌ・ルパン」カテゴリーはずっと作るつもりだったんだけど、書きたいことがありすぎてどこから手をつけていいか分らなかった。ハヤカワ「奇岩城」の発売はいい機会でした。前回の記事でなんだかエンジンがかかったぞ。

←のルパンカテゴリーがちょっとしたルパン研究サイトになるように、今後ともちょくちょく書いていきたいと思います。

ってわけでまず、今回はざっと僕なりにルパンシリーズを俯瞰して、各作品の簡単な紹介をしてみます。興味持ってくれた人が、「どれから読めばいいの? どれが面白いの?」と思ったときにちょっとした参考になれば嬉しいです。

アルセーヌ・ルパンシリーズは、(まとめ方にもよりますが)長編・短編集あわせて全部で約21冊分になります。作風はなかなかバリエーション豊かで、ミステリ・推理小説として完成度の高いもの(主に短編)や、暗号解読や中世の宝物探しを題材にした冒険伝奇もの、また歴史戦争(第一次世界大戦)を背景にした作品群、また恋愛小説としての側面が強いもの、など様々です。

基本的に1冊1冊で話は完結していますが、前期の流れには大河性もなくはないし、また、たまに後の作品に前の作品のネタバレが入っていたりするので、できれば発表順に読んでいくのが理想だと思います。まあこだわらないで興味あるのから読み始めてもいいと思いますけどね。

てなわけで、ざっと作品の発表順に俯瞰してみます。

1、怪盗紳士ルパン ★★★★☆
第1短編集。9つの短編から成っている。第1話はいきなり「ルパン逮捕される」。これって知らない人には案外トリビアではないだろうか。以下、獄中のアルセーヌ・ルパン」「ルパンの脱獄」…と話は続く。ルパンの幼少の頃の話(「女王の首飾り」)やルパンの伝記作家「わたし」との出会い(「ハートの7」)などバリエーション豊かで、後のルパンもののの面白さのエッセンスがすでにこの短編集で詰まってると言っていい。第9話「遅かりしシャーロック・ホームズ」で初めてライバル・ホームズと出会う。(原文では「ホームズ」ではなく「ショルメス」というパロディーキャラ。邦訳ではホームズにされちゃってる) ホームズと軽いつばぜり合いを行い、更なる対決を予感させて、引き、で1巻終了。少年漫画としても完璧だ!

2、ルパン対ホームズ ★★★☆
「金髪の婦人」「ユダヤのランプ」と言う、2本の中篇を収録。1巻のラストを受けて、シャーロック・ホームズ(エルロック・ショルメス)との本格的な対決を描く。北駅のカフェでのホームズとルパンの邂逅はめっちゃかっちょいい。それと、この作品はかなりユーモアが効いてる。からかわれる側のホームズファンには我慢ならないかもしれないが、一応ホントは「ショルメス」なので・・・(笑)。

3、ルパンの冒険 ★★★
舞台の小説化。当時のメディアミックス? ルパンのオーソドックスな手口で、第1短編集を読んでる身には意外性があまりなく、舞台用の脚本を無理やり1冊分に引き伸ばした感があり少々たるい。が、この作品でルパンの乳母が初登場するのではずせない。あとヒロインが健気でかわいいと思った。心理ドタバタ劇っぽいところが三谷幸喜とかの舞台っぽい? 舞台で見たら面白いのかも。

4、奇岩城 ★★★★★
初の長編。文句ナシに名作だと思います。すでに名を成した巨人・アルセーヌ・ルパン対、高校3年生の天才少年探偵イジドール・ボートルレ。頭はいいけどあくまでまだ「少年」のボートルレが、時に打ちのめされて涙にくれながらも必死でルパンにくらいついていくところがもう燃える!鉄仮面やマリー・アントワネットもからむ歴史上の大秘密と暗号解読がゾクゾクする。そして対決を重ねてきたホームズ(ショルメス)との決着。あのラストがまた。いつかフランス行ってエトルタのエギーユ・クルーズをこの目で見てみたいねえ。

5、813 ★★★★★
長編2分冊の前編。これがまた奇岩城と1、2を争う傑作。奇岩城の後、4年間沈黙を守ってきたルパンの復活。「813」「APO ON」の謎をめぐるルパン、殺人鬼L.M、国家警察部ルノルマン部長の3つ巴の戦いは見ごたえたっぷりだが、何より最後の大どんでん返しがビックリ。初読の時は興奮した。あと敵の一人、アルテンハイム男爵が案外男気があって好きなんすけど。

6、続813 ★★★★★
長編2分冊の後編。813の続きでこれまた大傑作。前編のラストを受けて、「世界中が爆笑した!」から始まる。その前編よりさらにスケールアップして、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世が登場したりする。また、背景に第一次世界大戦勃発の予兆がちらほら見られる緊張感がたまらん。また前編・後編通じて言えることだが、この作品は巨大な野望に身を焦がすルパンの悪魔的情熱がいい。その妄執の果ての、最後のジュヌビエーブとのシーンは泣けるよ・・・。どんでん返しは、前編のラスト以上のものが用意されています。これほど面白い話はそうは知らない。時系列的には、この話の後、世界は第1次世界大戦に突入していきます。

7、水晶の栓 ★★★★
長編これも傑作と誉れ高い。でも個人的には「813」や「奇岩城」よりは落ちるかも。時系列としては「813」「奇岩城」から少し戻って平和な時代(ベル・エポックと呼ばれる時代)が舞台となっています。当時起こったフランス政界の汚職事件を絡めた、悪徳代議士ドーブレックとルパンの対決。ルパンは部下を救うために戦うのだが、親分を信じる部下の描写とそれに答えきれずに追い詰められていくルパンの焦燥が感動的。

8、ルパンの告白 ★★★★☆
第2短編集。9編の短編が収録されています。これも時代としては「ベル・エポック」期の話。ルパンの短編はミステリとしてよく出来た物が多くて、どれもはずれはないと思います。この短編集では、「太陽の戯れ」「影の合図」あたりが暗号小説の佳作としてよくミステリ・アンソロジーで紹介されている。僕は「赤い絹のスカーフ」がかなり好き。ネームだけですが、昔自分で漫画にもしてみました(笑)。「結婚指輪」「ルパンの結婚」も案外好きだ。こういう人情話、心理劇のような要素があるのが、元心理小説家であったルブランが、ややもするとただのパズル小説になりかねない他の推理小説作家と違うところの一つだと思ってます。

9、オルヌカン城の謎 ★
長編。時系列は「813」後に戻り、いよいよ第1次世界大戦の勃発です。と言ってもこの作品にはルパンは1,2ページしか出てこず、主人公に助言を与えるのみにとどまります。なもので1度しか読んでない。印象に残ってないからあまり面白くなかったと思う・・・

10、金三角 ★★★★☆
長編。バリバリに第1次世界大戦中の話です。傷痍軍人パトリス・ベルバル大尉が前半の主人公で、ルパンは後半、救世主として現れます。それが気持ちいい。初読の時はどんでん返しにもあっと驚いたし、個人的にはかなり好きな作品です。ルパンは「813」の後自分を死んだ事にし、それ以降「虎の牙」まで、スペイン貴族「ドン・ルイス・ペレンナ」として活躍します。これがその第1作。

11、三十棺桶島 ★★★★
長編。これも第1次世界大戦中の話です。ある女性がブルターニュ地方の三十の棺桶の島の伝説に巻き込まれる物語で、これも後半、救世主としてドン・ルイス・ペレンナことアルセーヌ・ルパンが颯爽と現れて彼女を救います。ドルメンやドルイドなど、ケルトの伝説や土俗をふんだんに生かしたおどろおどろしい雰囲気は他作品にはない。ホント、バリエーション豊かだと思う…。横溝正史はこの作品の影響を受けているらしいです。

12、虎の牙 ★★★★★
大長編傑作だと思います。長いんで上下巻に分けられる場合もある。第1次世界大戦直後の話です。この作品でドン・ルイス・ペレンナがルパンだと世間にばれます。遺産相続をめぐった連続毒殺魔との対決で、ドン・ルイス自身も遺産相続人であることから疑いがかかっていくあたりが緊張感ある。また、部下であり警察官でもある善良なマズルー警部が、ルパンと警察との間で板ばさみになるのがかわいい。謎解きとしては中盤が山だけど、その謎は初読の時はかなりゾクゾクした。後半はアクション映画のようなんで、本格推理小説ファンの評価が低かったりもしますが、ナニ、「推理小説」というカテゴリにこだわらなければめちゃくちゃ面白いですって。あと、ドン・ルイスことアルセーヌ・ルパンの大戦中の行動の全容が明らかになります。お前は江田島平八か、ってくらい少々吹きすぎ!な感はありますが(笑)、この底抜けのスケールのでっかさが、ホームズシリーズにはないルパンシリーズの魅力だと思ってます。

第1話の「ルパン逮捕される」では、ルパンは25歳の若き青年。ホームズとの初対面の時、ルパン26歳、ホームズ46歳。(この二人には世代差があります。) 第1次世界大戦を経て、「虎の牙」終了時ではルパンは45歳。大冒険としては時系列的にはほとんどこれがラストエピソードと見ていいと思います。あとは時間をさかのぼった「エピソード・ワン」的なものだったり、「奇岩城」と「813」の間の4年間の空白を埋めた「サイドストーリー」的なものだったり。時系列的な意味での「虎の牙」以降も2、3の冒険はしますが、スケールの小さい、ルパンの人生としてはエピローグ程度の冒険です。このあたりになると、作品としてもいまいち・・・。

とりあえず今回はここまで。とにかく前期は傑作が多いです。後半に続く!

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2006年5月24日 (水)

ハヤカワ文庫「奇岩城」刊

去年のアルセーヌ・ルパンシリーズ・誕生100周年映画「ルパン」公開を期に、ハヤカワ文庫で新訳でアルセーヌ・ルパンシリーズが刊行され始めました。 まず去年、ルパンの最初の単行本(「怪盗紳士ルパン」)と、映画の底本にあたる作品(「カリオストロ伯爵夫人」)の2冊を刊行。そして昨日、ルパンシリーズの代表作と言われる、「奇岩城」が発売されました。

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ハヤカワ文庫版アルセーヌ・ルパンシリーズ(刊行中)

ここでも再三書いている事ですが、僕にとって、「ルパンと言えば三世じゃなくてアルセーヌ」。自分の漫画(「CLOCK CLOCK」)にも登場させてしまったほど筋金入りのルパンファンの僕としては、この知る人ぞ知る静かなルパンムーブメントは実に嬉しいかぎりです。

ポプラ社などの児童用の翻案バージョンを除くと、現在完訳で全作品網羅して読めるのは偕成社の完訳全集のみ。しかもハードカバーで値も張る上に、出版社の関係でか、完訳であるにもかかわらずなぜか児童書扱いなので、少々人に薦めにくい。(僕は全巻持ってますが(笑))

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偕成社版・アルセーヌ・ルパン全集(全25巻・ハードカバー)

ルパンシリーズは他に新潮文庫版(堀口大學全訳)、創元推理文庫版(石川湧・井上勇訳)などが刊行していますが、いずれもそれぞれ名作が抜け落ちていて全作品読める全集にはなっておらず、大人用の完全な全集の刊行が待たれていたところでした。そんな時のハヤカワ文庫版(平岡敦全訳)の刊行開始だったわけです。

このハヤカワ版、去年フランスで出たルパン全集(あちらでも100周年で刊行したんでしょうね)を底本に、10年かけて全作品をリリースする予定だそうです。1年2冊のペースで、全21冊。10年計画と言うのがなんとも気長な話ですけど、この平岡敦氏の新訳、現代的な文章でなかなか読みやすいんで、人に薦めやすいです。新世紀に蘇った大人用ルパンのこれからのスタンダードとして、ハヤカワさんには是非頑張って全巻出し切ってもらいたい!(途中でくじけないでネ) 

ここを読んでくださっている皆さんも、この機会に宜しければ是非読んでみて下さい。映画の原作となった「カリオストロ伯爵夫人」はルパンシリーズでも正直それほど上位の作品ではないと思いますが、「怪盗紳士ルパン」「奇岩城」どちらも文句ナシに面白いです。まず「怪盗紳士ルパン」でルパンと言うキャラクターに親しみ、その上で名作「奇岩城」を読めば、間違いないと思う。はまる人ははまると思いますよ。是非どうぞ!

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2005年11月19日 (土)

横浜ヨドバシ開店 & 映画「ルパン」

横浜西口のヨドバシカメラオープンしましたね!!! 早速行ってきましたよ。秋葉原に次ぐ国内最大規模のヨドバシ。家からこんな近くに出来てひゃっほう!です。これからは職場近くの上大岡ヨドバシを羨ましがらなくてすむぜー(笑)。でかかった。混んでたなー。

ま、でも、いくつか不満点。

1、駐輪場がなかった。でも駐車場もなかったし、しょうがないかな。

2、あそこまで品揃え抜群なのに、WACOMの筆圧感知液晶タブレット(CintiQシリーズ)が置いてなかった。(展示してあった奴に比べてこっちの方が格段に優れ物ですから、ぜひ置いといた方がいいですよ>ヨドバシさん)

3、DVD売り場、特に洋画コーナーがイマイチ小さ目・・・? あれならジョイナスの新星堂の方が大きいかな・・・? もっとドビックリするほどの品揃えを期待してしまった(笑)

まあでも、基本的にはあそこに行ったらなんでもそろうような物凄さだと思います。ガンプラや食玩やフィギュアも充実してたし。あと、夜横浜駅西口を出たらヨドバシの照明がギラギラしてるのは、ちょっと派手でエネルギッシュでよかった。今後あっち中心に発展していくのかな? だと面白いな。いろいろ出来てほしい。

★★★★

映画「ルパン」見に行きました。もう近くの映画館では公開終わってたんですが、厚木の方で特別上映やってたんで、ちょっくら遠征。自分の漫画にまで登場させちゃうほどの筋金入りのアルセーヌ・ルパン・ファンのこの俺が、見に行かなくてどうする!! (危うく見損なうとこだったぜ!)

で。

フランス映画なんであまり期待はしないようにしてたんですが、いやいや、思いのほか傑作でした!! 「ルパンファン」心理差っぴいて1映画ファンとして見ても、そんなに悪くないと思います。出来の良し悪しで言っても少なくともスターウォーズのEP1あたりやローレライあたりよりは、僕なら断然お勧めする。 それどころか、今年は「バタフライ・エフェクト」「キングダム・オブ・ヘブン」「バットマンビギンズ」とかなり高レベルのお気に入り良作が続いたんですが、ルパンファンの贔屓目まで加えちゃうと、これらの映画よりもさらにぐっと来ちゃったかもしれないです。まさか今になって、これだけのレベルでアルセーヌ・ルパン映画が見れるとは!!!

ってわけで、近いうちにレビュー書きます。DVD出るかなあ。出たら絶対買う。

続編作らないかなー。次こそは是非「奇巌城」か「813」で!!!

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